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デジタルユーロ、早ければ5年後にも発行へ

欧州中央銀行(ECB)は、独自の中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)であるデジタルユーロの発行に向け、本格的な準備を開始すると明らかにした。

今後2年間を調査期間とし、設計や流通に関する課題を探るという。調査で生じた問題を解決し、順調に進めば、さらに3年後の2020年代半ばに導入される見通しだ。14日、ECBが公式サイトで声明として発表した。

ECBはこれまでに、準備前の実験段階としてCBDCの技術的課題などを検証してきた。現段階で大きな問題は起きていないことで、本格的な準備期間を設定した模様だ。

今後は、消費者の利便性を高めながら、マネロンなどの不正行為を防ぎ、金融政策に悪影響を与えないための設計準備を進める。

CBDCは既報の通り、先行する中国を筆頭に、世界各国で開発が加速度的に進んでいる。

ECBのChristine Lagarde(クリスティーヌ・ラガルド)総裁もユーロにおけるCBDCの導入に前向きな姿勢を見せており、「ユーロ域外の巨大決済サービス会社が攻勢を強める昨今、将来的にCBDCを導入しなければ、ユーロ圏の『金融の自治』が損なわれる恐れがある」と、これまでも警告していた。

ラガルド総裁は11日、Bloombergに対し、「CBDCが発行された場合、人々の生活に非常に密接に影響するでしょう。人々のプライバシー保護と同時に、マネロンやテロ資金調達を加速させないよう確実を期す必要もあります。今後、準備段階から発行するまでに、あらゆる面で適正なバランスを求めて開発しないといけません」と発言した。

また、今回の決定はCBDC発行の最終決断ではなく、準備段階で重大な問題が生じれば、発行を取りやめる可能性もあり得るという。

ラガルド総裁は、「デジタルユーロは従来の現金を補完するもので、完全に取って代わるものではない」という考え方も付け加えた。

画像:Shutterstock