月間暗号資産

  • HOME
  • NEWS
  • イーサリアムの大型アップデート「ロンドン」に進展 8月中の実施を提案

イーサリアムの大型アップデート「ロンドン」に進展 8月中の実施を提案

イーサリアムの大型アップデートである「London(ロンドン)」の実行日が、従来の7月中旬ではなく8月4日に変更する案が提案された。6日、イーサリアムのネットワークアップグレード責任者のTim Beiko氏がGitHub上で明かした。

正確には、ブロック高12,965,000での実行が提案された形で、その時期が日本時間8月4日頃になるものとみられている。今後、9日にイーサリアムの開発チームがこの提案に同意すれば、正式にこのスケジュールが確定する。

イーサリアムの大型アップデートは4月に行われた「Berlin(ベルリン)」に続き今年2回目となる。ベルリンではアップデート後にエラーが発生し、イーサリアムブロックチェーン上の約12%のノードが一時的にネットワークに同期できない状態に陥った。

イーサリアムのアップデートは「Ethereum Improvement Proposals(EIP)」と呼ばれる改善提案をもとに行われる。このEIPは開発者やイーサリアムのマイナーが合意することで実行に移される。

ロンドンのアップデートで最も注目されているポイントは、手数料(ガス代)モデルを変更する「EIP-1559」の実行だ。この提案はイーサリアムの創設者であるVitalik Buterin氏が提案したもの。

昨今のDeFiやNFTの流行によるイーサリアムブロックチェーンの需要増、そしてイーサリアム自体の取引増により、ガス代が高騰した。そういった背景から手数料の仕組みを改善し、ガス代高騰の抑制を図る狙いがある。

この改善案では基本手数料の仕組みを導入する予定だ。また基本手数料を導入すると同時に、従来であればマイナーに支払われるイーサリアムを焼却(バーン)するため、供給量が減少し、価格の上昇を期待する声もある。

一方、この仕組みではマイナー報酬が減少するため、一部では反対の声が挙がっているのも事実だ。しかし、イーサリアムはコンセンサスアルゴリズムをPoS(プルーフオブ・ステーク)に変更する「イーサリアム2.0」へのアップデートを予定していることから、将来的に現在のようなマイニングの仕組みが廃止されるということは留意すべき点だろう。

画像:Shutterstock