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イラン、暗号資産の新法案を提案へ 歳入の増加を目指す

イラン経済議会委員会が、暗号資産(仮想通貨)に関する新しい法案を起草した。2日、Tasnim News Agencyが報じた

報道によると、新法案では国内での決済に利用できる暗号資産を政府が指定するものに限定する方針だという。ただし、政府が指定する暗号資産は未だ明確になっていない。

今回起草されたのは、「暗号資産マイニングの支援と国内の暗号資産取引の規制」法案だ。この法案が可決することになれば、中央銀行は可決から3ヶ月以内に国内の暗号資産取引を規制しなければならなくなる。さらに、国内全てのマイニング事業者は中央銀行に資産を報告する義務を負う。

また起草された新法案では、イラン商工産業鉱山省を暗号資産マイニングの監査役として定めるとされている。

イラン商工産業鉱山省は暗号資産をマイニングする企業の認可や監視および補助を行う。そして、イラン暦2022年度(2022年3月21日から2023年3月20日)には暗号資産のマイニングから5億ドル(約555億円)に上る歳入を目指すことになる。

イランの首都テヘランなどでは現在、ビットコインなどの暗号資産マイニングが許可されている。ただし、認可されたマイナーには安価な電力を提供する代わりに、マイニングされた暗号資産を中央銀行に売却しなければならないという制約がある。

しかし、イラン国内での暗号資産マイニングは現在大部分が未認可の状態で行われているという。未認可でマイニングされる暗号資産はおよそ6億ドル(約666億円)に相当するとされている。

その一方で、国内で認可を受けたマイニング企業は今年5月後半から4ヶ月間マイニングの禁止を命じられている。これはイラン国内における夏場の電力需要が高まることに起因する。

電力の需要が上がる時期と同時に、非常に大きな電力を消費するマイニング作業が行われることで、停電が発生する恐れがあるのだ。実際、今年5月には首都テヘランにおいて断続的な停電が発生しており、これを受け同国のHassan Rouhani大統領は今年9月22日までのマイニング禁止の方針を打ち出した。

画像:Shutterstock