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米大手決済会社、650の銀行で暗号資産の購入を可能に

米企業向け決済大手のNCR(National Cash Register)は、デジタル資産管理会社のNYDIGと提携し、米国内の650の銀行で暗号資産(仮想通貨)取引の取扱いを提供していくと明らかにした。先月30日、米Forbesが報じた

今回の提携でNCRを利用する金融企業の2400万を超える顧客は、同社のモバイルアプリを通じて暗号資産の売買にアクセスすることができるようになる。さらに暗号資産の利用も可能となる予定だ。

NCRは今回の取り組みについて、提携している銀行などの顧客が暗号資産取引所の口座に資金を移動してしまうことに対し危機感を抱いていることから、暗号資産サービスの提供を決めたという。

NYDIGのCEOであるYan Zhao氏は「銀行の多くは、預金者の最大の流出先の1つとして、銀行の口座からCoinbaseのような大手暗号取引所へ資金移動があることを知っている」と述べた。

NCRは、同社のアプリで顧客に対し既存の銀行口座でビットコインを購入する方法を提供し、最終的にはビットコインを使用できるようにするという。

NCRは1884年にて設立された老舗企業だ。現在は、世界160ヶ国で3万4,000人の従業員を擁し、銀行のデジタルバンキングサービスからATM、レストランに至るまで、幅広く決済事業を展開している。

加えて、NCRは金融部門以外にも食料品店などの小売店にPOSシステムを提供する世界最大のプロバイダーだ。米国において45%の市場シェアを持っており、合計18万のレストランや小売チェーンにサービスを提供している。NCRの暗号資産事業が計画通りに進めば、ビットコイン決済が一気に普及する可能性も高くなる。

また、NCR が取り扱う暗号資産を預かるNYDIGは2017年に大手ヘッジファンドStone Ridge Asset Managementが設立した暗号資産投資企業だ。現在、投資ファンドのほか、機関投資家レベルのカストディサービスも提供している。

NYDIGの銀行ソリューション部門責任者であるPatrick Sells氏は、「銀行を通じた暗号資産取引の手数料は現在の暗号資産取引所よりも安くするつもりです」と優位性を語った。同氏は、今後、銀行は暗号資産取引所への資金移動に関する対応について、PayPalと同じような手法を取るだろうと予想しているという。

決済サービス大手のPayPalは、顧客がビットコインを購入・使用できるようになってから、同社のアプリユーザー数が2倍になり、ビットコインの購入件数も増えている。

画像:Shutterstock