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モルガン・スタンレー、2万8000GBTC以上の保有判明

米投資信託銀行モルガン・スタンレーは、4月30日時点で暗号資産(仮想通貨)投資ファンド・Grayscaleのビットコイン投資信託(GBTC)を2万8000GBTC以上保有していることが明らかになった。28日、モルガン・スタンレーが米国証券取引委員会(SEC)に提出した報告書で明らかになった。

SECに提出された報告書よると、モルガン・スタンレーは、ヨーロッパを中心とするモルガン・スタンレー・ヨーロッパ・オポチュニティ・ファンドを通して4月30日までにGrayscaleから2万8298 GBTCを購入。現在の1GBTC価格は29.25ドル(約3,230円)で、モルガン・スタンレーのエクスポージャーは現時点で約84万ドル(約9,280万円)に相当する。

GBTCは従来の証券市場に暗号資産であるビットコインへのアクセスを提供することを目的として、Grayscaleが2013年に発表した世界初のビットコイン投資信託だ。

現在、世界最大のビットコインファンドとなり、市場の成熟化や暗号資産価格の上昇で企業規模を拡大している。26日には、Grayscaleの運用資産が290億ドル(約3兆2,000億円)で、そのうちGBTCが217億ドル(約2兆4,000億円)以上と、資産の大部分を占めていることを公表した。

モルガン・スタンレーは今年3月、富裕層顧客向けのビットコイン投資信託の提供を開始し、暗号資産およびブロックチェーンのリードアナリストの募集を始めた。

また4月1日にモルガン・スタンレーがSECに提出した報告書によると、同行のポートフォリオの最大25%をビットコインに割り当てることが記載されていた。

これまでモルガン・スタンレーはビットコインを資産クラスとして前向きに検討してきた。同行の幹部は、ビットコインはドルのインフレヘッジの有効な手段とみなすと発言するなど、ビットコインの投資価値を評価していた。

また、モルガン・スタンレーは2020年1月にビットコインを大量保有する米MicroStrategyの株式を約80万株取得したことも明らかになっている。このことからも、ビットコインについて関心の高さが推察される。

今年に入って、モルガン・スタンレー、ゴールドマンサックス、JPモルガン、ドイツ銀行といったウォール街の大手金融機関が暗号資産関連事業に参入、もしくは参入の可能性が報じられている。これらの伝統的な金融機関が暗号資産市場に参入することで、暗号資産の信用が高まるだけでなく、さらに巨額な資金が市場に流入する期待が持てる。

画像:Shutterstock