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ゴールドマン・サックス、JPモルガンの独自ブロックチェーン上でレポ取引を実施

米大手投資銀行のゴールドマン・サックスが、米大手銀行JPモルガン・チェースが開発したブロックチェーン「Onyx」上でレポ取引(国債を担保とした貸借取引)を実行したことが明らかになった。22日、Bloombergが報道した。

Bloombergによると、最初の取引は6月17日に実行されたという。

JPモルガンのプライベートブロックチェーンであるOnyxでは、トークン化された米国債とJPMコインの交換を通じてレポ取引が実行される。JPMコインとは、米ドルに裏付けられているJPモルガン独自のステーブルコインだ。Onyx上では、これら2種類のトークンとスマートコントラクトを活用してレポ取引が行われる。

ゴールドマン・サックスのグローバルマーケット部門でデジタル資産の責任者を務めるMathew McDermott氏がBloombergに語ったところによると、17日に行われたレポ取引は3時間5分で完了したという。当時の取引額は明らかになっていない。

さらに、同氏はBloombergとのインタビューで次のようにコメントを残している。

「我々は(Onyx上でのレポ取引が)取引活動のデジタル化において決定的な瞬間になると見ている。従来のレポ市場とは異なり、銀行が取引を完了するのに要した時間を定量的に記録できる」

McDermott氏によると、ブロックチェーンを用いることにより、正確な取引時間が明確にわかる点や、担保となる国債と現金を即座に取引できる点が、従来の市場からの大きな躍進に繋がるという。

JPモルガンが開発したOnyxではイーサリアムブロックチェーンをベースにしたスマートコントラクトが活用されている。

従来のレポ市場では取引が完了するのに日をまたぐことが一般的であった。言い換えれば、同日中に取引を完了させるのが困難だったという側面がある。しかしスマートコントラクトの即時性をレポ取引に活かしたことで、飛躍的に同取引の効率を向上させたと言える。

JPモルガンのレポ取引に参加する予定の金融機関はゴールドマン・サックスにとどまらない。具体的には、10以上の銀行や投資会社がOnyxに参加する可能性があるという。

画像:Shutterstock