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イスラエル、CBDC発行に向けパイロットテスト開始

中東イスラエルの中央銀行であるイスラエル銀行は、同国の法定通貨「シェケル」のCBDCであるデジタル・シェケルのパイロットテストを行っていることが明らかになった。同銀行の副総裁Andrew Abir氏が、CBDCをめぐるパネルディスカッションの席で明らかにした。21日、The Jerusalem Posなど現地の複数のメディアが報道した。

パネルディスカッションで、参加者が「イスラエル銀行はすでにデジタル・シェケルのパイロットテストを行っているのか?」との質問に、Andrew Abir氏は「すでに行っている」と回答した。

しかしAbir氏は、イスラエルのCBDCが実際に立ち上げられることについて、楽観視していないと付け加えた。

同氏は「私はこれまで、5年以内にCBDCが発行される可能性は20%程度と語っていた」と言及し「しかし最近になって他の国同様、開発が進んできたことで私の予想は少し変わりました。5年以内に発行される確率は、50%以下でしょうか」と語った。

イスラエル銀行は、5月上旬にCBDCの研究を加速させる一環として、デジタル・シェケル発行のための行動計画を準備していると声明を発表していた。しかし、この計画についての進捗はこれまで語られてこなかった。

Abir氏はパネルディスカッションで、「イスラエルがCBDCを将来的に使うかどうかの選択肢はまだ検討中です。先月、声明を出したのは、何をするかを言うためではなく国民の方々に広く発行の是非を問いかけ、意見を求めるためのものでした」と述べた。

イスラエル銀行がCBECの発行について最も重視しているのは、世界の新しいトレンドを把握することだという。Abir氏は「イスラエルの決済システムは、他国に比べて少なくとも10年は遅れています。しかし昨年、非接触型決済を可能にするインフラの整備や、デジタルウォレットが参入したことなどにより、その差を縮め始めています」とキャッシュレス社会が想像以上に拡大していることを説明した。

続けて同氏は、「今、私たちは金融市場における改革期の真っ只中にいますが、誰が勝者になるのかはわかりません。銀行なのか、クレジットカード会社なのか、大手テクノロジー企業なのか、今後数年間に、想像以上の変化が起こるでしょう。しかし、5年後の環境が現在の環境と同じではないことは明らかです」と述べた。

最後にAbir氏は「世界各国でCBDCの開発が進んでいるが、イスラエルは決済システム中で重要な役割を担うことになるでしょう」と語った。

画像:Shutterstock