月間暗号資産

  • HOME
  • NEWS
  • バーレーン中央銀行、デジタル通貨決済の実証実験を開始

バーレーン中央銀行、デジタル通貨決済の実証実験を開始

バーレーンの中央銀行(CBB)は米投資銀行のJPモルガンおよびバーレーンの商業銀行Bank ABCと協力し、最先端の技術とデジタル通貨を活用したクロスボーダー決済ソリューションを導入するためのパイロットスキームを実施することを発表した。

 ABC銀行とJPモルガンは、バイヤーからサプライヤーへの支払いのために、バーレーン王国との間で米ドルによる資金移動を試験的に行う。

これにより、サプライヤーはより迅速に支払いを受けとることができ、バイヤーは事前に資金を保有する必要がなく、より短期間での支払いが可能となる。将来的には、中央銀行デジタル通貨(CBDC)分野での活用も視野に入れているようだ。

バーレーン中央銀行のRasheed Al-Maraj総裁は、「今回のJPモルガンとBank ABCとの提携で、従来のクロスボーダー決済に存在する非効率性や問題点を解決したいと考えている」とコメントした。

ABC銀行のグループ副CEOであるSael Al Waary氏は、「CBBとJPモルガンとの画期的なコラボレーションによって、より効率的な決済インフラを開発し、現在のクロスボーダー決済の限界に対処することができることを嬉しく思う」と語った。

また、JPモルガンのホールセール・ペイメント部門の副会長であるAli Moosa氏は、「JPモルガンのONYXは、次世代の決済インフラの構築を主導する使命を持って設立された。CBBのような主要な中央銀行と、Bank ABCのようなイノベーションを重視するパートナーと提携し、次世代の決済インフラの構築を主導できることを嬉しく思う」と述べた。

ONYXはJPモルガンのブロックチェーン部門であることから、今回の実証実験で同社の独自暗号資産であるJPMコインを含む決済ソリューションが利用される可能性もMoosa氏の発言によって示唆されたと言える。

中東でCBDCの取り組みを進めている国はバーレーン以外にも存在する。

サウジアラビアとアラブ首長国連邦両国の中央銀行は、2019年1月よりCBDCのクロスボーダー決済における実証実験を開始。2020年10月には、検証結果として、従来の決済システムと比較してより優れたセキュリティを提供できることが確認されるなど、高いパフォーマンスを提供することが確認されたと報告している。

画像:Shutterstock