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日本円ステーブルコイン「GYEN」がバイナンスに上場

GMOインターネット株式会社の連結会社で米国の現地法人であるGMO-Z.com Trust Companyは12日、世界最大規模の暗号資産(仮想通貨)取引所であるBinance(バイナンス)にて、日本円と連動するステーブルコイン「GYEN」の取引が開始されることを発表した。取引開始は12日16時(日本時間)を予定している。

GMO Trustが発行するGYENは、世界初となる米国銀行法規制を遵守した日本円と連動したステーブルコインだ。このGYENはニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)による規制のもと、毎月100%法定通貨によって裏付けられていることを外部の公認会計士によって公的に監査されており、監査レポートも開示されている。

今回、バイナンスとパートナーシップを結んだことにより、GMO Trustの公式Webサイト上でビットコインやテザー(USDT)などの主要銘柄と取引することが可能となる。

ニューヨーク州の信託企業であるGMO Trustは他にも米ドル担保のデジタル・ドル「ZUSD」も発行している。

GMO Trustによれば、GYENを法定通貨よりも効率的かつ、低コストで取引やヘッジ、裁定取引、セトルメント、支払いなど様々な場面で活用することが可能だとしている。

また日本円をそのまま海外に送金すると数%の手数料がかかる上に着金に数日かかることもあるが、GYENの手数料は1回あたり数十円から数百円で、送金時間も数十分で済む。同社は初年度に数百億円分の発行を目指しているという。

ただし、GYENは日本国外で流通するものであり、日本国内居住者への販売は対象外としている。

GMO Trustの中村健太郎CEOは、「世界で最も取引されている通貨・ペアの一つである日本円をデジタル化し、この資産を『バイナンス』の法人および個人ユーザーのエコシステムに提供することは、暗号資産が主流になりつつあることを象徴していると考えています」とコメントした。

日本ではステーブルコインに関する規制が確立されていないという背景もあるため、まずはGYENおよびZUSDを日本国外で流通させ、海外での利用を促進するようだ。

日本での規制整備などが進めば、今後は国内取引所においても取り扱われる可能性があるため、待ち望むユーザーも多数いることだろう。

画像:Shutterstock