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アリババ傘下のAlipay、デジタル人民元に対応する機能を実装

中国最大のオンライン企業であるアリババグループ傘下のAlipayが、デジタル人民元(CBDC)に対応した機能を一部ユーザーに実証実験としてリリースしたことが判明した。10日、中国の国営メディアである中国証券報が報道した。

報道によると、デジタル人民元のウォレットはAlipayアプリを用いて起動する。取引については、アントグループの傘下である網商銀行(Mybank)の口座とAlipayアプリを連携させることで可能になるようだ。

MyBankは2014年に設立。QR決済などを軸とするネット銀行だ。

同行は昨年末時点で3,500万人以上の中小企業や個人の顧客を抱えており、一昨年から比較して68%増加しているという。

今回、アントグループはAlipayにおけるデジタル人民元の実証実験への参加を認め、「MYbankはデジタル人民元の実証実験参加者の1人として、中国人民銀行の全体的な取り決めに従い、実証試験を着実に進め、研究および開発を継続的にサポートしていく」と述べた。

また、総資産が世界最大級とされている中国工商銀行(ICBC)のユーザーも同行のモバイルアプリ内でデジタル人民元のウォレットアプリを利用できるようになったことが明らかになった。現在は、中国の大都市である成都の住民のみが利用できるようだ。

ICBCのウォレットは「Internal Test Wallet」と名付けられており、数ヶ月前から同行のアプリ内で検索できるようになっていた。少なくとも今年4月までは、ICBCに認められた成都のユーザー以外は使うことができなかった。

しかしこの数週間で、成都のICBCユーザーであればこの機能を使えるようになったという。

既報の通り、中国では上海や深セン、蘇州などの大都市でデジタル人民元の実証実験を行ってきた。抽選に当選した市民にデジタル人民元を配布し、小売店、商業施設などで決済を可能にしたほか、通信状況の悪い環境を想定したオフライン決済の実験を行うなど、検証を繰り返している。

中国政府は2022年に開催予定である北京オリンピックでデジタル人民元の導入を目論んでおり、準備を加速させている。

画像:Shutterstock