2021.04.30
米Goldin Auctionsが開催したネットオークションで、NFL(ナショナル・フットボールリーグ)のTom Brady選手のサイン入りトレーディングカードが約168万ドル(約1億8,000万円)相当のライトコインで落札された。同社は、暗号資産(仮想通貨)での支払いを受付開始して以来、最も高価な商品であることを明らかにした。29日、Goldin Auctionsが公式Twitterで発表した。
Goldin Auctionsは、アメフト、バスケ、野球、サッカーなどプロスポーツ業界のコレクションアイテムに特化したネットオークション会社だ。ウィンクルボス兄弟が運営する暗号資産取引所Geminiのサポートにより暗号資産決済が実現した。
これによりGoldin Auctionsのユーザーは、同社のオークションサイトに出品された商品を、ビットコイン、イーサリアム、ライトコインなどの暗号資産でも売買できるようになった。
NFLの伝説の選手と言われるTom Brady選手は、2000年にニューイングランド・ペイトリオッツから指名を受けプロ入りを果たすと、2年目からクウォターバックに定着。同年にチームを球団史上初のスーパーボウル制覇に導いた。これまで7度のスーパーボウル制覇と5度のスーパーボウルMVP獲得を達成している。
また、これまでにNFLで3度のMVPも獲得し、43歳になった現在も現役を続けている。米国のプロスポーツ選手では、NBAのマイケル・ジョーダン氏と並び、知名度も人気も非常に高い人物だ。
今回、落札されたTom Brady選手のトレーディングカードは、2000年の彼のルーキー時代に発売されたカードだ。
Goldin Auctionsの創設者であるKen Goldin氏は、Tom Brady選手のトレーディングカードがライトコインで支払われたことについて「この業界に40年以上いる私の経験から見ても、トレーディングカード収集の趣味は、現在信じられないほどの人気と成長を遂げています。驚くべきことは、同じことが暗号資産でも起きているということです」「高騰を続けるトレーディングカードと暗号資産は、現在、最も急速に成長している代替資産の2つであり、コレクターの間には多くの重なり合う点があると考えています」と述べた。
今回、ライトコインで落札されたTom Brady選手のトレーディングカードは現物のカードだが、Goldin AuctionsのCEO、Ross Hoffman氏は最近のNFT市場の活発化もあり「トレーディングカードのような価値あるスポーツコレクションと暗号資産の融合はNFT市場でも見られている。我々も将来的に、物理的なコレクションとデジタルコレクションを組み合わせた大きなチャンスを見据えている」と、今後、同社のオークションにNFTのコレクションを加えることを考えているという。
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