2021.04.19
17日、プロテニス選手の大坂なおみ選手と姉の大坂まり氏が、NFTを発行したことがわかった。
このNFTはFlowのブロックチェーン上で作成され、オンラインショッピングサービス「Basic.Space」において、4月23日までの7日間限定で販売される。NFTは5つ発行され、オークション形式での販売となる。
記事執筆時点では、”Vibrance of the Clouds”と名付けられたNFTが8万6000ドル(約930万円)の値をつけており、最終的な落札額にも注目が集まるだろう。
なお、各作品の落札者には大坂なおみ選手のサイン入りテニスラケットもプレゼントされるようだ。
今回の発表に際し、大坂なおみ選手は「アートの愛好家でクリエイター、キュレーターとして私とマリ(姉)がアートの世界に足を踏み入れることができて興奮しています」とコメントしている。
近頃はビットコインの高騰などで暗号資産(仮想通貨)市場が盛り上がる中、NFTへの関心度も日に日に高まっている。また国内外を問わず、アートやスポーツ、ゲーム業界などでもNFTの活用事例が生まれており、今回のように著名人の参加例も度々見受けられるようになった。
特にアートの分野においては、兼ねてより課題となっていた贋作の見極めや著作権の保護などがブロックチェーンによって実現可能となった。
これに伴い、権利移転や二次流通もより容易になったため、アーティストなどにとっては非常に心強いツールになり得ると言える。
先月には、大手オークションハウスのクリスティーズがデジタルアーティストのBeeple氏のNFTアート「The First 5000 Days」をオークションで出品。落札額は約75億円で、オークションの最大視聴者数は2,2000万人を記録するなど、大きな話題を呼んだ。
日本では、国内暗号資産取引所のコインチェックがNFTマーケットプレイス「Coincheck NFT (β版)」を開始。また、VRアーティストのせきぐちあいみ氏の作品が1,300万円で落札されるなど、センセーショナルな話題が続いている。
期待と注目を集めているNFTであるが、新たな分野であるがゆえに課題も多い。
NFTはアート作品などの真贋証明としては使えるものの、そのアートなどそのもののコピーを直接防げるわけではない。
また、法規制が十分整っていないため、消費者トラブルなどといったリスクも無視できないのが現状だ。
画像:Shutterstock