月間暗号資産

  • HOME
  • NEWS
  • コインベース上場迫る ナスダックが参考株価を発表

コインベース上場迫る ナスダックが参考株価を発表

米証券取引所NASDAQ(ナスダック)が13日、米国時間14日に上場する暗号資産(仮想通貨)取引所Coinbase(コインベース)の株式の参考価格を発表した。

ナスダックによると、コインベースの参考株価は一口あたり250ドル(約2万7,000円)。未公開株式取引市場では一口350ドル(約3万8,000円)で取引されていたことから、今回発表された参考株価はその時と比べ100ドル下がったことになる。

しかし、この数値はあくまで参考でしかなく、実際の上場時にこの価格で取引が始まるわけではないという点は注意すべきだろう。

今回、コインベースは直接上場という手法でナスダックへ株式を上場させる。これまでニューヨーク証券取引所においては直接上場が行われてきたが、ナスダックにおいては史上初のこととなる。

また暗号資産取引所が株式市場に上場するのも初の事例であることから、全世界の金融市場関係者も大きな関心を寄せている状況だ。

直接上場は新規株式公開(IPO)とは異なり、既存の株式のみで上場する。IPOでは新規株を発行することで資産調達が可能になる一方で、直接上場は増資を目的として行われないのが特徴的だ。

直接上場の参考価格は一部、未公開株式取引市場で株式が取引されている価格を参考に設定される。未公開株式取引市場ではコインベースの株式は350ドルで売買されており、同社の発行済み株式数がおよそ2億6620万株とすると、当時の同社の評価額は900億ドル(約9兆8,000億円)に上る計算になる。

今回設定された参考価格250ドルで評価額を計算すると、評価額は665億ドル(約7兆2,400億円)となる。

コインベースは2012年に設立された暗号資産取引所で、業界の中でも先駆者と言える存在だろう。

設立10年にも満たない企業の評価額がおよそ900億ドルと考えると、コインベースや暗号資産市場の著しい成長力がうかがえる。

直接上場では、企業に知名度がなければ株式の流動性が確保できない可能性がある。過去に直接上場をした企業の中では、SpotifyやSlackなどの大手企業が名を連ねる。今回コインベースが直接上場をしたのも、同社の知名度へ自信の現れとも考えられるだろう。

また、13日から14日にかけてはコインベースの上場が間近となりビットコインやイーサリアムが過去最高値を更新。記事執筆時点においても上昇し続けており、ビットコインは史上初となる700万円を突破した。

大手企業による暗号資産への投資や受け入れが進む中、暗号資産業界全体で強気なムードが見られる。暗号資産業界にとって非常に重要かつ歴史的な瞬間が刻一刻と迫る中、コインベース上場後の暗号資産市場の動向にも注目が集まることだろう。

画像:Shutterstock