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ナイジェリア中銀総裁「暗号資産取引を禁止した事実はない」

今年に入り、暗号資産(仮想通貨)関連サービスの締め付けを強めているナイジェリア中央銀行(CBN)の態度に変化があった。

20日のTodayNGの報道によると、CBN総裁のGodwin Emefiele氏は「暗号資産取引を禁止した事実はない」との認識を示したようだ。

これはナイジェリアの首都・アブジャで行われた金融ビジネスセミナー「ファイナンス・コレスポンデント・ビジネスエディターズ」で、CBN副総裁のAdamu Lamtek氏がEmefiele氏の考えとして語ったもの。

Lamtek氏によると、Emefiele氏はあくまで銀行を暗号資産取引から保護する目的であったと説明。また同氏は、「CBNは暗号資産の使用には規制をかけておらず、国民が暗号資産取引を行うことを禁止していない。銀行による暗号資産取引を禁止しただけだ」と続け、個人での暗号資産取引はこれまで通り行われても問題はないとの見解を述べた。

今年2月、CBNが国内の全ての銀行に対し、暗号資産の購入・売却・交換サービスを即刻中止するように文書内で命じていた。

その動きを受け、ナイジェリア証券取引委員会は法的根拠に基づいた規制整備に乗り出していたものの、全ての計画を保留。また同国の上院議員からも反発を招くなど、波紋を呼んでいた。

こういった背景から今回改めて態度を軟化し、暗号資産取引そのものを禁止したわけではないとの姿勢を見せたものとみられる。

ただし、CBNには暗号資産のP2P取引に参加できるユーザーを規制する法的効力は無いという点に注意が必要だ。あくまでも暗号資産はナイジェリア証券取引委員会(SEC)の管轄下にある。

公の場で副総裁が暗号資産取引について言及した背景にはそういった誤解を払拭する狙いもあるだろう。

ナイジェリアにおける暗号資産の規制や方向性が定まらない一方で、同国は「アフリカのビットコイン国家」と呼ばれている。これは国内のビットコインのP2Pの取引高が世界最大級であることに由来する。

今回、ナイジェリアの暗号資産取引そのものが禁止されているわけではないということが示された。

ナイジェリアは今や暗号資産市場にも大きな影響力を及ぼす一国であることから、今後同国において暗号資産の取り扱いがどのように変化していくか注視していきたところだ。

画像:Shutterstock