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PayPalが暗号資産カストディ企業を買収か

米大手決済会社のPayPalが、暗号資産(仮想通貨)のカストディ業務を提供するスタートアップ企業Curvの買収に踏み込んでいることが明らかになった。3日、Bloombergが匿名の情報筋の話として報じた

報道によると、交渉はまだ始まったばかりで、買収が成立するかは未だ不明だ。またCurvの拠点であるイスラエルの現地メディア・GLOBESによると、PayPalは2億ドル(約214億円)以上での買収を軸に交渉を進める模様だ。

現段階で、PayPalおよびCurvはこの件に関してのコメントを控えている。

Curvは「Curv Wallet Service」「Curv Air Gap」「Curv Defi」の3種類のサービスを提供しており、主に機関投資家を顧客としている。

同社はニューヨークのインキュベータ企業Team8によって2018年に創業したスタートアップ企業だ。これまでに3000万ドル(約32億円)の資金調達を行っている。

PayPalは昨年末に暗号資産取引サービスの提供を開始し、暗号資産業界を中心に大きな話題を生んだ。このサービス提供はニューヨークでビットライセンスを持つPaxosとの提携によって実現した。

また、同社は暗号資産の売買や保有のサービスに止まらず、さらに暗号資産関連サービスの拡大を図っている。

現に、同社は2021年上半期の間に子会社であるVenmoを通じて米国以外のユーザーが暗号資産取引を行えるようにする計画を立てている。今後、数ヶ月以内に暗号資産取引サービスを英国まで拡大させるとのコメントも出している。

今回の買収が成立した場合、PayPalの暗号資産関連事業がさらに拡大することは必至だ。

VisaやMasterCardなどといった大手決済会社が今年に入り暗号資産に関連したサービスを提供する姿勢を見せているが、中でもいち早く参入したPayPalの動向は引き続き重要なものとなるだろう。

PayPalが各国で暗号資産取引サービスを提供することで、より多くの人々が暗号資産に触れるようになる。その過程でカストディ企業などの買収や提携は不可欠であることから、今後Curvの買収に向けた交渉の行方に注目が集まることだろう。

画像:Shutterstock