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SEC新委員長、暗号資産に対する肯定的な姿勢を示す

バイデン大統領によってSEC新委員長として指名されたGary Gensler氏が、3日に上院の指名承認公聴会で暗号資産(仮想通貨)について言及した。

一連のスピーチの中でGensler氏は暗号資産が「変化を促すもの」として肯定的な姿勢を見せた形だ。

上院においてGensler氏は「ビットコインをはじめとする暗号資産は決済や金融包摂に新しい視点をもたらしただけでなく、投資家保護に関する新しい課題も提示した」と発言した。続けて、同氏は投資家保護を軸とした上で暗号資産による新しい技術革新を推進したいとの意向を見せた。

Gensler氏の公聴会での発言から推測するに、SECは現状、暗号資産に対する姿勢を大きく変えるわけではなさそうだ。もっとも、同氏は公聴会では技術革新と投資家保護との間のバランスに十分気を配っていたと見受けられる。

しかし、本人の意向が公聴会で明白になったとは決して言えない。

Gensler氏の経歴を振り返ると、公務に移る前はゴールドマン・サックスで20年間勤務し、オバマ政権下では商品先物取引委員会(CFTC)の議長を務めていた。

同氏の経歴の中で一際注目したいのが、現在もマサチューセッツ工科大学で教鞭をとっており、ブロックチェーンや暗号資産に関する講義も行っているという点だ。

Gensler氏がSECの委員長に認定された場合、同氏のブロックチェーンに対する深い理解がSECの暗号資産に対する姿勢を変える可能性も否定できないだろう。

SECは過去10年もの間、暗号資産の規制に関して重要な役割を担ってきた。特に、特定の暗号資産が有価証券として取り扱われるか否かという判断はSEC委員長の意向に依存している。

そのため、SECの意向によっては大きな法的措置を受ける銘柄も存在する。一例として、昨年末に無登録で有価証券の販売をしているとして米リップル社が提訴されたことは記憶に新しい。

公聴会の後には上院銀行委員会によって、指名承認の投票が行われる。また、上院全体が今回の指名者を各職務に任命するかを決定するのはその後になる予定だ。

画像:Shutterstock