2021.02.22
米最大手の銀行JPモルガン・チェースが18日にフィンテックに関する報告書を発表した。
同行は独自ブロックチェーンの開発や米国の銀行では初となる独自通貨「JPMコイン」の開発をしていることでも知られている。そのような背景からも、JPモルガンがブロックチェーンや暗号資産(仮想通貨)といった次世代のフィンテック関連事業に強い関心があることは明らかだ。
そういった背景がある中で、JPモルガンはビットコインに対する可能性と厳しい指摘をした。
JPモルガンは報告書の中で、ビットコインの現在の価格水準は適正価格を大幅に超えていると指摘。テスラがビットコインに多額の資金を投資したことを皮切りに多くの投資家がビットコイン投資を始めたことから生じた価格の高騰は、一時的なものと主張した。
しかし長期的な目線では、ビットコイン価格は14万6000ドル(約1,540万円)まで上昇し、価格相応の時価総額に達したら金(ゴールド)に匹敵するような市場を作り上げるとの可能性も示唆した。
さらにJPモルガンは、暗号資産は最下位のヘッジ手段であると主張し、ポートフォリオの多様化のためにビットコインを利用する点に対しても疑問を呈している。
JPモルガンの主張ではビットコインの先行きは厳しい印象を受けるが、現在米国を中心に暗号資産への対応が急ピッチで進められている。
特に北米でビットコインETFの承認が相次いでいるニュースは記憶に新しいはずだ。
Purpose Investmentが上場させたビットコインETF「BTCC」は、上場から2日が経った時点で4億2180万ドル(約422億円)もの資産運用残高を記録している。
JPモルガンの評価の通り、投資家が暗号資産に高い関心を持っていることがうかがえる事例だろう。
他にもJPモルガンは「フィンテックへのニーズが拡大していく」と、金融業界の動向を占った。
従来の銀行とフィンテックの競争が激化していく中、決済領域ではアジアが成長を牽引すると予想している。
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