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米CME、イーサリアム先物取引を開始

世界最大の金融デリバティブ取引所である米CME(シカゴ・マーカンタイル)グループは8日、当初の予定通りイーサリアム(ETH)先物取引を開始した。

CMEが暗号資産(仮想通貨)の先物を取り扱うのは2017年12月のビットコイン先物以来、2例目となる。

ビットコイン先物の建玉は10億ドル(約1,055億円)を超える市場規模を形成しており、日々その取引需要は高まっている。イーサリアムの先物が提供されることにより、機関投資家は新たなヘッジ手段を見出すことが可能となった。

今後ビットコインと同様にCMEでの取引が現物市場にも大きな影響を及ぼす可能性は非常に大きい。またCMEが休場している最中に現物価格が大幅な変動をした際には、翌営業日に先物市場の価格にギャップが生まれる可能性もある。

今回のCMEでのイーサリアム先物提供を受け、暗号資産投資ファンドを運用するGrayscaleもボラティリティの上昇や取引高増に備えているという。

Grayscaleは今月1日、認定投資家に対してイーサリアムの投資ファンドである「Ethereum Trust」を再開し、7600万ドル以上(約80億円)のイーサリアムを購入。その結果、同社は約46億6000万ドル(約4,915億円)相当となる300万ETH以上を保有することとなった。

Grayscaleの追加購入により市場全体で買い圧力が大幅に急増し、イーサリアムの史上最高値更新に大きく影響したとの見方も一部で挙がっている。

CMEが提供するイーサリアム先物取引は50ETHから取引が可能だ。取引は日曜日から金曜日の米国東部標準時間の18時から翌17時までとなっている。

なお取引には、英国金融行動監視機構(FCA)承認の暗号資産インデックスプロバイダーであるCF Benchmarksの「CME CF Ether-Dollar」レートを使用。米ドル建ての差金決済取引では、Bitstamp、Coinbase、Gemini、itBit、Krakenの1時間の取引データを集計し使用する。

今回イーサリアム先物がローンチされたことにより、今後同様の暗号資産に関連した金融商品が提供される可能性もある。

暗号資産取引の多様性を見出す意味でも、イーサリアム先物の取引動向は非常に重要なものとなるだろう。

画像:Shutterstock