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Visa、銀行の暗号資産取引を支援

決済企業大手Visaは、従来の銀行が暗号資産(仮想通貨)売買を容易に導入できる「Visa Crypto API(Application Programming Interface)パイロットプログラム」を、グループ企業Anchorageと共同で開発していることを明らかにした。3日、Visaがプレスリリースで発表した。

AnchorageはVisaが4000万ドルを投資して2019年に設立。主に機関投資家向けに暗号資産のカストディサービスなどを手がけている企業だ。今年1月には米国通貨会計事務所(OCC)から全国銀行認可を受けており、暗号資産を扱う金融機関としては米国初の連邦政府公認の国法銀行になっている。

従来の銀行は今回の開発するVisa Crypto API パイロットプログラムを利用することにより、Anchorageの暗号資産インフラにアクセスすることが可能となる。また、暗号資産の売買に関するサービス提供も行えるようになる。

Visaは現在7000万もの加盟店を抱えており、そのグローバルネットワークに暗号資産のサービスを展開することで、さらなる事業拡大を目指している。

今回の開発ではデジタル通貨に関する独自のインフラを持たない金融機関がVisaのプラットフォームを利用し、成長を続ける暗号資産とブロックチェーンネットワークの世界に参入できるようにすることを目的の1つとしている。

その一環として、今回Visaはアフリカ系アメリカ人向けのネオバンクであるFirst Boulevardと開発初期段階より提携し、API導入実験を行っている。

ネオバンクとは、一般に自らは銀行免許を持たず、既存の銀行と提携してネット上で金融サービスを提供する企業である。

Visaは黒人系コミュニティを中心に事業活動しているFirst Boulevardをパートナーに選んだ理由について、ブランドとして多様性と包括性を提携戦略と市場進出戦略へ組み込むこと、新しいテクノロジーへのアクセス競争を平準化していくこと、経済的格差の解消に向けたVisaのコミットメントを強調することを意図しているとリリースで掲げた。

Visaは本サービスの提供開始を今年後半に予定している。これにより、金融機関による暗号資産関連サービス提供は加速度的に普及していくことが考えられる。

画像:Shutterstock