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スイスの暗号資産銀行、ブロックチェーン上で株式をトークン化

スイスの銀行ライセンスを持つ暗号資産(仮想通貨)銀行Sygnumは、株式公開の計画を進める中で、独自のブロックチェーンプラットフォーム上で株式をトークン化した。14日、同銀行が公式ホームページで発表した。

発表によると、Sygnumは「Desygnate」と呼ばれる独自のトークン化プラットフォームを開発・利用して、イーサリアムブロックチェーン上で自社株式をトークン化したという。

今回の発表によると、ブロックチェーン上で株式を発行する世界初の銀行となるという。

株式のトークン化により、Sygnumの株主名簿は増資や株式移転が発生するたびに継続的かつ自動的に更新され、完全にデジタル化された方法でプライマリーマーケット(発行市場)および、セカンダリーマーケット(株式や債権の取引市場)の取引を管理することができることになる。

これにより、買い手が株主名簿を手動で更新することをSygnumに通知する必要がなくなり、長時間の現金決済プロセスが不要になるため、カウンターパーティーリスク(取引の相手方の信用リスク)を最小限に抑えることができるという。

また、買い手と売り手の間で株式の譲渡を行う際に必要となる書類の管理上の負担がなくなり、より迅速かつ効率的な株式取引も可能となった。

SygnumのDesygnateは2021年2月から施行されるスイスのブロックチェーン法に則って設計された。

スイスのブロックチェーン法はフィンテック国家を目指す同国によって、暗号資産やブロックチェーン技術を主流に乗せるために今年9月に可決。同法はブロックチェーンを使った金融事業だけでなく、企業株式やその他の資産をデジタル化し取引可能にするよう、株式と関連する法的権利と義務を関連付けている。

SygnumのMathias Imbach CEOは「世界で初めて株式のトークン化を実現した銀行になることを嬉しく思います。これは、所有権と価値へのより直接的かつ効率的なアクセスを実現するという私たちの使命を果たすための重要なマイルストーンです」と期待を述べた。

画像:Shutterstock