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中国デジタル人民元実証実験、2回目の無料配布へ 

中国の中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)にあたるデジタル人民元の第2回目となる無料配布が、来月蘇州で開始されることがわかった。国営の地元紙The Paperが報じた

報道によると、今回は蘇州市で12月12日にデジタル人民元の使用用途や使いやすさを測定することを目的に実証実験を実施する予定であるという。

第1回目の実証実験では、10月に深セン市で1000万元(約1億5,700万円)分のデジタル人民元を抽選で5万人の市民に配布した。当選した市民は、個人のスマートフォンを通じて専用アプリをダウンロードして使用した。

配布額は1人あたり200元(約3,000円)分だったが、3,000軒を超える小売店において、1週間で配布総額の95%が使われたという。

蘇州市で行われる第2回目の新たな実証実験は、近距離通信技術を介してオフライン環境でも2つの決済デバイス(スマートフォン)に触れるだけで取引できるオフライン決済機能が追加される。

上述のThe Paperによると、すでに蘇州市内では多くの企業や小売店がデジタル人民元を使うことを可能にするNFC(近距離無線通信)と、QRコード機能を備えたPOS技術をインストールしていると報道している。

このオフライン決済はデジタル人民元おける注目要素の1つで、国民の間で浸透している民間デジタルマネーの「Alipay」や「WeChat Pay」との差別化を狙っている。

今やAlipayやWeChat Payのアプリは決済だけでなく、SNS、ネット通販、配車アプリ、生活サービス、エンタメ、金融、信用スコアまで、あらゆる生活場面で使われている。

一方、デジタル人民元は法定通貨であり、セキュリティ、信用の面で優れている。

中国はモバイル決済比率が86%を占め、キャッシュレス化が世界で最も進んでいる国である(2019年世界消費者洞察力調査)。

デジタル人民元は法定通貨であることから、大災害などで電力やネットワークが使えなくなった際に決済が行えることは非常に重要なポイントだ。

画像:Shutterstock