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ドイツ連邦銀行が非中央集権ネットワークの構築でOcean Protocolを採用

ドイツの中央銀行であるドイツ連邦銀行(BUBA)が、非中央集権ネットワークの構築を目的として分散型データプラットフォームを開発する「Ocean Protocol」を採用したことがわかった。EUの公式資料によって明らかになった。

ドイツ連邦銀行は非中央集権ネットワークを構築する目的について、「データ主権を維持しつつ、統計のリアルタイムな情報更新を実現するために永続的かつ対称的な分散型情報共有プラットフォームを確立するため」と公式資料の中で説明している。

そのような目的を踏まえ、事業者を採用するために以下2点を基準にし、選考を実施したとのこと。

  1. 持続可能かつ分散させた方法で大量のデータを処理・送信できるもの
  2. サービスが成熟しており、プロジェクトの成功例やユースケースがすでにあること

1つ目の基準の時点で約半数の事業者が除外され、2つ目の基準によりOcean Protocolが唯一ドイツ連邦銀行に技術的なソリューションを提供できるプロジェクトであると判断したようだ。

Ocean ProtocolはシンガポールのOcean Protocol社が提供するプロジェクトで、2015年から開発が行われている。

巨大企業がユーザーデータを独占し、それが企業の利益のために利用されている現状を鑑み、データ所有者の透明性を明らかにし、ユーザー自身がデータを管理できる世界を作ることを目指している。この取り組みにより、ユーザーが自身のデータを利用して収益化を図れるだけでなく、分析能力やAIコミュニティの強化にも繋がるとしている。

今年7月には、ベンツなどを手掛ける大手自動車メーカー DAIMLER AG社と世界中の生産拠点におけるサプライチェーンにおいて、販売データや財務データなどを共有する概念実験(PoC)を完了したと発表していた。

ドイツ連邦銀行は公式資料の中で、Ocean Protocolについて「分散型データベースの要素とDLTの特性を組み合わせており、銀行がネットワークモデルのプロトタイプを開発するための理想的な出発点になる」と述べている。

画像:Shutterstock