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カンボジアがCBDCの正式運用を開始 日本のソラミツと共同開発

カンボジアの国立銀行(NBC)は28日、ブロックチェーンベースで作られた中央銀行デジタル通貨(CBDC)「バコン」を正式に運用開始した。これは先日発表されたバハマの「Sand Dollar(サンドダラー)」に続き、世界で2番目のCBDCとなる。

バコンはカンボジア国立銀行と日本のブロックチェーン技術開発会社であるソラミツが共同で開発したリテール(個人)決済と銀行間決済の基幹システムだ。昨年7月より、カンボジア全土でバコンの試験運用が実施されていた。

バコンの仕組み
引用元:ソラミツ

ソラミツはこれまで、Linux Foundationが主催するオープンソースプロジェクト「Hyperledger Project」に取り組んでおり、その中で今回バコンのシステムに採用された「ハイパーレジャーいろは」の開発に尽力してきた。

ソラミツのプレスリリースによると、カンボジア国立銀行はソラミツが開発してきたプラットフォームが特にリテール決済分野において適していると判断し、共同開発を進めてきた形だ。

バコンはデジタル化されたカンボジアリエル(KHR)および米ドル(USD)を使用しており、2020年第3四半期の時点でカンボジア全土の18の金融機関がすでに採用しているとのこと。

発表によると、カンボジア国内の電話番号を所有している人なら誰でもウォレットを作成することが可能で、電話番号やQRコードを使用した決済および送金ができるようだ。

カンボジア国立銀行は2016年より「プロジェクトバコン」を開始し、金融機関の効率改善を図り、自国通貨の使用促進と金融サービスが届かないカンボジア人に対する金融包括強化の可能性を探っていた。

その過程で、これらの目的を達成するためにはリテールCBDCが必要だという結論になったとのこと。

カンボジア国立銀行局長のChea Serey氏は、今後のステップについて「金融包摂、効率性、安全性を向上させるとともに、現地通貨の使用を促進することを目指しています。バコンは、カンボジアの決済を利用するすべてのプレーヤーを同じプラットフォームの下に置くことで中心的な役割を果たし、利用者が銀行間の垣根を超えてお互いの支払いを容易にします」と述べている。

またソラミツのCEOである武宮誠氏も、「私たちはカンボジア国立銀行と3年以上にわたって熱心にソリューションを構築してきており、現在、他の国や新しい市場に展開するための技術を準備しています。中央銀行から私たちの技術が認められ、中央銀行のデジタル通貨の実用化への貢献に対する賞を受賞したことは非常に光栄です」と、喜びと今後の展望を語った。

画像:Shutterstock