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デジタル人民元に関する法改正案を中国人民銀行が公開

中国の中央銀行である中国人民銀行は、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)の本格稼働に向け、中国人民銀行法の改正案を公開した。

公表された改正案の文書では、近代的な中央銀行システムを構築する必要があると共に、金融リスクを予防・解消し、中央銀行の機能や位置付けの見直しが必要だと解説している。

改正法案の中にはデジタル通貨の発行における法的根拠の策定も盛り込まれており、「人民元には現物とデジタルの両方の形態があり、デジタル通貨の発行の法的根拠を提供し、暗号資産(仮想通貨)のリスクを防止し、いかなる団体や個人もデジタルトークンの作成や販売を禁止することを明確にする(第19条)」と解説文書で述べられている。

また改正案の第22条では、「組織または個人は、市場で流通する人民元に代わるトークンやデジタル通貨を作成したり、販売目的で提供したりできない」と定められており、これに違反した場合は流通されているトークンの停止及び収益金の没収、更に違反額の5倍以上におよぶ罰金を科せられるとしている。

近年、金融市場の急速な拡大及び金融イノベーションの発展など、経済や金融情勢は大きく変化している。

中国人民銀行によると、中国共産党中央委員会は現在、金融リスクの相互作用や金融サービスのキャパシティ不足を認識していることから、機能強化、リスク防止、金融改革などが重要だと考えているという。その上で同行は、国際的な金融規制改革の流れに沿って中央銀行の機能を法的レベルから強化することが必要になるだろうと述べた。

また一連の金融改革の主要要素としては、国務院金融安定発展委員会の設置、金融セクターに関する主要な法規制の策定責任を中国人民銀行へ委譲、諮問委員会の基本システムの策定などが挙げられるとした。

中国人民銀行は本改正案に関する一般のコメント募集しており、来月23 日まで意見を提供できる。

画像:Shutterstock