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6,000万ドルの罰金、暗号資産のミキシングサービス業社に科す

暗号資産(仮想通貨)のミキシングサービスHelixとCoin Ninjaの創設者兼管理者であるLarry Dean Harmon氏が、銀行秘密法(BSA)およびその施行規則に違反したとして、6,000万ドル(約63億円)の罰金を課せられたことがわかった。19日、米財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)が発表した。

Harmon氏は無登録のマネーサービス事業者(MBS)として、2014年から2017年までHelixを、2017年〜2020年まではCoin Ninjaを運営しており、約340億円相当の資金洗浄に関与した疑いで米連邦検察は昨年12月に逮捕していた。

FinCENは兌換可能な暗号資産の交換・管理業者はBSAの元で管理されると2013年のガイドラインで明記している。また、FinCENへの登録が必要になる他、マネーロンダリング防止プログラムに適用される全ての報告・記録要件を満たす義務が発生する。

さらにFinCENは2019年に、暗号資産のミキシングサービスを提供する金融機関にも同様の要件が適応されると明確な発表をしている。

ミキシングサービスは、複数ユーザーの暗号資産を混ぜ合わせ、数百に小分けしたトランザクションで暗号資産を送ることで送信元の特定を困難にするものだ。

Harmon氏が運営していたHelixyやCoin Ninjaでは、様々な手段でビットコインをミキシングおよび送金しており、FinCENの調査では少なくとも35万6,000件のビットコイン取引が確認されているとのこと。

またFinCENの調査結果によると、Harmon氏はBSA管理下での義務を故意に無視し、BSAの規制要件を回避する方法でサービスを提供していたことが明らかになり、120万件以上の取引について、顧客の名前、住所、その他の識別情報の収集と確認を怠っていたという。

加えてHarmon氏は最小限の顧客情報さえも積極的に削除しており、麻薬密売業社や偽造業社、詐欺師、犯罪者などと取引を行っていたようだ。

最近ではBitMEXのCEOであるArthur Hayes氏を含む4名もマネーロンダリング対策(AML)を故意に守らなかったとし、BSA違反の容疑で起訴されたのが記憶に新しい。

暗号資産のミキシングサービスは、昨年5月に強制停止したBestMixer.ioを皮切りに相次いで停止している。

画像:Shutterstock