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ドイツがブロックチェーンを活用したエネルギー資源管理システムを構築へ

ドイツの連邦エネルギー機関「Deutsche Energie-Agentur(DENA)」は13日、20社以上の業界関係者と協力し、ドイツ全土の分散型エネルギー資源(DER)のデジタルレジストリーの設計・構築を行うため、ブロックチェーンの非営利団体「Energy Web」を選定したと発表した。

このプロジェクトでは、サーモスタット、太陽光発電システム、バッテリー、電気自動車の充電スタンドなど、ドイツ国内のあらゆるエネルギー資産にIDを割り振り、分散型台帳に自動登録する。

これを用いて、ドイツにおけるエネルギー市場に個人が参加できるようになることを目指すという。

2020年の初め、Energy Webはオーストリアで「Austrian Power Grid」と、ドイツとベルギーでそれぞれ「Elia」と「50 Hertz」を通じて同様のシステムのリリースを発表。DENAのエネルギーシステムおよびデジタル化部門を率いるPhilipp Richard氏は、「デジタルIDは、何百万もの生産者、ストレージシステム、消費者からの情報の自動交換を安全かつ信頼性の高いものにするために非常に重要です」と語った。

プロトタイプではEnergy Webの分散型オペレーティング・システム(EW-DOS)を活用する予定で、これは現代の分散型エネルギーグリッドにおけるデジタルインフラへ対応するために特別開発されたオープンソースのソフトウェアだという。

今回の発表に際し、Energy WebのCCOであるJesse Morris氏は、「これはドイツだけでなく、世界のエネルギー部門にとっても信じられないような発展です。世界第4位の経済大国の電力部門が、デジタル化、分散化された未来に向けて決定的な一歩を踏み出したのです」と語った。

DENAは類似したプロジェクトとして、ブロックチェーンと人工知能にまたがる複数の全国的なデジタル・イノベーション・イニシアチブの拠点「Future Energy Lab」を今年8月に発表。Future Energy Labでは、ブロックチェーンマシンアイデンティティ台帳(BMIL)、CO2排出量の可視化、スマートコントラクトレジスターという3つの主要なパイロットプロジェクトに取り組んでいる。

画像:Shutterstock