2020.10.15
大手会計事務所・コンサルティングファームであるPwCは、ブロックチェーン技術が世界経済に与える調査レポートを発表し、今後10年間で世界の国内総生産(GDP)を1.76兆米ドル(約185兆円)まで押し上げる可能性があると予測した。
レポートによるとこの予測は、PwCのエコノミストが現在どのようにブロックチェーンが使用されているかを評価し、ヘルスケア、政府、公共サービス、製造、金融、物流、小売などあらゆる業界で価値を生み出す可能性があると判断した上で成り立っているという。
その中でも最大の恩恵を受けるのは行政や教育、ヘルスケアの分野になると予想しており、ブロックチェーンが「IDやその認証における効率性」を活用することでこれらの分野に60兆円規模の利益をもたらすとエコノミストは述べている。
またエコノミストは2025年までに多くの企業が何らかの形でブロックチェーンを利用するようになると予想しており、テクノロジーとしての主流に乗れば、経済効果は急上昇するとの予測を立てた。
経済的価値を生み出す可能性のあるブロックチェーンの使用法については、以下5つが主力になるとしている。
2030年までに最もブロックチェーンの恩恵を受ける国については、中国(46兆円)と米国(42兆円)が特に高く、次いでドイツ、日本、イギリス、インドなどが6兆円以上のGDP増加になるとエコノミストは予想している。
ブロックチェーンの成功には有効的な政策環境や新しい技術を活用する準備ができているエコシステム、そして産業連携などが必要だとレポートでは語られている。
その上で、中国は独自の中央銀行デジタル通貨(CBDC)発行を推進している点、米国はサプライチェーンに関する膨大な機会や消費者の要求がある点で特に高い恩恵を受けられると評価しているようだ。
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