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中国・深セン、約1.5億円のデジタル人民元配布と試験運用を発表

中国の深セン市民政府は8日、中国人民銀行が発行するデジタル人民元(DCEP)の試験運用を開始すると共に、1,000万元(約1億5,000万円)相当のDCEPを5万人に200元(約3,155円)ずつ配布することを市の公式ブログを通して発表した。人民網など複数の中国メディアが報じた

発表によると、DCEPの配布方法は抽選で、翌9日に公開された抽選登録チャンネルから申し込みができるとのこと。

当選者には今月12日に当選メッセージと共に、デジタル人民元を管理できるアプリケーションのインストール方法も送付する。個人用デジタルウォレットを開設することで200元のDCEPが受け取れる仕組みのようだ。

配布したDCEPは12日〜18日の間、3,000以上の指定店舗で消費することができるという。

現状DCEPの正式ローンチ日は未定だが、先日開催された国際銀行間通信協会(SWIFI)主催のバーチャル会議「Sibos2020」にて、中国人民銀行副総裁である Fan Yi Fei氏は、試験的なプログラムの一部として11億元(約171億円)以上の取引処理が実行されていると述べており、実用化に向けたステップを順調に進めているようだ。

中国がデジタル通貨の開発分野において何歩も先を歩いている現状について、財務省の財務官である岡村健司氏は、「中国が先行者利益を得ようとしている」との見解を示したとロイター通信が報じている。

デジタル日本円の推進については、自民党のプロジェクトチームから導入を急かす目的で、政府・日銀に関連法改正を促す提言を策定するなどの報道があるが、中国に対して大きく遅れていることは間違いない。

日本銀行は先日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する日本銀行の取り組み方針を公表し、CBDCに期待される機能や役割、特性、今後の方針などを説明した。

CDBCを現時点で発行する計画はないとしつつも、決済システム全体の安定性と効率性を確保する観点から、環境変化に対応するための準備が重要だとし、実証実験や制度設計面の検討、主要中央銀行との連携を行なっていくとしている。

画像:Shutterstock