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損保協とNEC、ブロックチェーンを活用した共同実験

一般社団法人日本損害保険協会と日本電気株式会社(NEC)は17日、ブロックチェーン技術を活用した保険引き受けの共同実験を実施することを発表した。

新型コロナウイルスの拡大を受け、従来の書面・押印・対面での手続きを見直す機運が高まっている中、ブロックチェーン技術を活用したペーパーレスな手続きによる業務効率化やその実用性を検証するという。

今回は複数の保険会社で引き受ける「共同保険」で実施するため、東京会場日動火災保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険など大手4社を含む8社が参画。共同保険では、年間数十万件に及ぶ契約情報を各保険会社が書面でやり取りをしており、ブロックチェーンの活用により保険会社の契約情報をデータベース化し、情報共有できるようになるという。

従来の書面による手続きでは、保険会社A社がB社と書面を交換し、B社はC社と交換し、C社はA社とそれぞれ書面を交換する必要があった。

一方、ブロックチェーンによって各社の契約情報がデータベース化されることで、保険会社はそれぞれでのやり取りが不要となる。データベースという大きな情報の塊の周りで、各保険企業が繋がっているイメージだ。ペーパーレスのメリットに加え、大幅な業務効率化が期待できるという。

ブロックチェーン技術は、複数のネットワークで情報の「ブロック」を「チェーン」のように繋げて情報共有することで、「情報が改ざんされにくい」という特徴がある。この堅牢性に注目し、今回の取り組みに至ったものとみられる。

NECは発表で、「今後もブロックチェーン・AIなどの先進技術を活用し、安全・安心で快適な金融サービスを、あらゆる人と産業へ届けるための『Digital Finance』の取り組みを推進していきます」と抱負を述べた。

また損保協の広瀬伸一会長は同日の記者会見で、「新しい生活様式にあわせてお客さんとの接点だけではなく、会員会社間で見えてくる課題にも着実に取り組む」とコメントした。

画像:Shutterstock