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仏ルノー、ブロックチェーンプロジェクトのテスト完了

フランスの自動車メーカーであるルノーグループは10日、自動車の設計から生産に至るまで全ての自動車部品のコンプライアンス認証をするためのブロックチェーンプロジェクト、XCEED (eXtended Compliance End-to-End Distributed)のテストが完了したことを発表した。

XCEEDは業界のパートナーである「Continental、Faurecia、Plastic Omnium and Saint-Golden」と共同で2019年から開始されたプロジェクトだ。

IBMからも支援を受けており、ブロックチェーン技術「Hyperledger Fabric」をベースに、車両部品の追跡・認証をするように設計されている。

発表によると、自動車の製造工程における規制は年々厳しくなってきているとし、そのような中で対応力と効率性の向上を可能にしたツールがXCEEDだという。

直近では、今月1日に自動車の型式承認と市場監視に関する厳格化された規制が施行された。これにより自動車業界は生産チェーン全体を見直し、規制当局に対応できるよう構造を調整する必要が出てきたという。

そのような要件に対しブロックチェーン技術は、複数関係者による情報共有と追跡を可能にし、分散型のネットワークでプロセスの高速化と効率化を実現できるとルノーは説明した。

XCEEDでは、主に部品メーカーと自動車メーカー間でコンプライアンス情報を共有するための信頼できるネットワーク構築を実現するためにブロックチェーンが利用されるという。

各当事者がデータの完全性を損なうことなく、データの管理と機密性を維持すると同時に、セキュリティを高めることができると発表文の中で述べている。

ルノーのドゥエ(Douai)工場で実施されたXCEEDのテストでは、100万件以上の文書が保存され、1秒間に500件のトランザクション処理が確認できたという。

ルノーグループのブロックチェーン部門副社長であるOdile Panciatici氏は、「XCEEDプロジェクトが自動車業界を変革するベクトルであると確信している」と発言した上で、「ブロックチェーン技術が多くの異なる企業間のエコシステムで活用されるだろう」と語った。

画像:Shutterstock