中東ドバイ、KYCデータの共有イニシアチブ「UAE KYCブロックチェーン プラットフォーム」を発表

MENAT地域（中東・北アフリカ・トルコ）の大手銀行グループであるドバイ経済開発局（DED）とエミレーツNBD（ENBD）は28日、顧客確認（KYC）に関するデータ共有イニシアチブである「UAE KYCブロックチェーンプラットフォーム」を発表した。

本取り組みはブロックチェーンを用いたKYC技術を開発するnorblocの協力によって実現したとのこと。

UAE KYCブロックチェーンプラットフォームは、高度な分散型ブロックチェーン技術を活用し、デジタル顧客データを利用して安全な銀行口座機能を提供するほか、ライセンス当局と金融機関間のKYC共有を容易にするプラットフォームであるとしている。これにより企業は、選択した金融機関とリアルタイムでデータを共有することが可能になり、時間とコストを大幅に削減できる可能性があるという。

本イニシアチブの構想は2020年2月に開始され、検証済みKYCデータを共有するための全国的なエコシステムになるよう設定されている。また規制面で重要な役割を持つ政策「スマートドバイ」と、UAE中央銀行によって全面的にサポートされており、近日中にドバイ商業銀行（Commercial Bank of Dubai）、アブダビ商業銀行（ADCB）、ラック銀行（RAKBANK）などでも稼働するという。

ドバイ経済開発局ライセンス・事業登録セクター（BRL）のCEOであるOmar Bushahab氏は、「UAE KYCブロックチェーンプラットフォームを利用しすでに120以上の会社がエミレーツNBDにオンボードされており、アクティブで運用可能な銀行口座を持っていることを誇りに思う」と語っている。

また本取り組みが、UAE全体のエコシステムを確立する上で重要なマイルストーンになるとも指摘しており、「デジタル化とペーパーレス化を中心とした政府のビジョンに沿ったものであることから、国内でのビジネス利便性を高める重要な戦略である」と述べた。

発表によると銀行グループとしてUAE KYCブロックチェーンプラットフォームを最初に導入したのはエミレーツNBDだが、次のマイルストーンとして追加のユースケースや他の銀行パートナーの稼働を予定しているという。

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