2020.07.17
暗号資産取引所Binanceが韓国で展開する「Binance KR」は16日 、テゾス(XTZ)、ヴィチェーン(VET)、バット(BAT)、クアンタム(QTUM)、OMG(オミセゴー)、THETA(シータ)の6銘柄を上場すると発表した。
Binance KRの公式ホームページで明らかにされた取引ペアは以下の通りだ。
Binance KRは今年4月からサービスを開始。取引所開設、運営に特化した法人向けクラウドサービス「Binance Cloud」を利用して立ち上げられた韓国の暗号資産取引所である。
これまでBinanceKRは、ビットコインやイーサリアム、バイナンスコインの他、韓国ウォン(KRW)に紐づけられたステーブルコイン・バイナンスKRW(BKRW)等のアルトコインを取り扱ってきた。
韓国にはBinance KRの他にも、「Upbit」「Bithumb」「Coinone」など、大手暗号取引所を含む50以上の取引所があり、「暗号資産大国」と言われている。
しかし、韓国議会がUpbitやBithumbなどでハッキング事件が発生したことを問題視し、消費者保護のために暗号資産取引所の登録制に関する法案を今年3月に可決した。
同法案は、来年の3月までに施行予定だ。既存の暗号通貨取引所は2020年9月までに登録手続きを済ませる必要がある。(6ヶ月の猶予期間あり)
この法案により、暗号資産取引所は金融当局へライセンス登録をすることが必要となり、顧客の身元確認、資金洗浄対策などが義務化される。
韓国の暗号資産メディア「The News Asia」は、「2021年3月に法案が施行されてから6ヶ月の猶予が過ぎた時、法案の要約を満たす韓国の暗号資産取引所は4社から6社しか残っていないのではないか」と可能性を指摘した。
また今月に入ってから、韓国国会では暗号資産取引で得られた利益に「20%課税」する法案が提出された。(現時点では非課税)
この法案は9月に開会する国会で提出され、国会を通過した場合、2021年3月より暗号資産を「通貨」ではなく資産価値のある「商品」とみなすことで税金を課すことになる。
そうなれば、2021年3月より暗号資産取引の利益に所得税が課される見込みだ。
今回、暗号資産規制が厳しくなりつつある韓国において、世界有数の暗号資産取引所Binanceが銘柄を増やしたことは、韓国内において暗号資産ユーザー拡大の可能性を見越しているのかもしれない。
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