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エルサルバドルのビーチが独自のビットコイン経済圏を築く

エルサルバドルのEl Zonte(エル・ゾンテ)村が、新型コロナウイルスの影響を直に受けた影響から新たにビットコインを利用した経済圏「ビットコイン・ビーチ」を形成していることがわかった。14日、Forbesが報じた

エル・ゾンテ村は海岸に位置し、3,000人程の住民が暮らしている小さなビーチタウンだ。国内外から多くのサーファーが頻繁に往来するため、新型コロナウイルスの影響で観光客が激減し大打撃を受けていた。

エル・ゾンテ村の多くの住民は銀行口座やクレジットカードを所有していない。

ビットコイン・ビーチの構想は、2019年初頭にエル・ゾンテ村に好意を寄せる匿名の寄付者からの10万BTC(当時レートで400億円)以上の寄付の申し出から始まった。

多くの慈善団体は寄付されたビットコインを法定通貨に交換し、「何かあった時のために使いたい」と回答したが、寄付者にはデジタル通貨自体を学んで活用して欲しいという思いがあったという。

そこで、エル・ゾンテ村でボランティアをしているMichael Peterson氏と提携し、ビットコインを用いる経済圏「ビットコイン ・ビーチ」が誕生した。

Michael氏は寄付者の意向から、従来の金融システムで行える送金や決済といった機能をビットコインで代替し、観光施設や小規模ビジネス、その他サービスなどを考慮したエコシステムを提案した。また高速かつ手数料が低いライトニングネットワークを取り入れることで、ビットコインを日常レベルで使用する問題も解決したという。

現在ではタコスやハードウェアなどの消耗品から、水道代などの公共料金の支払いまでを全てビットコイン決済で受け入れており、教育助成や災害時などにおいては、資金を必要とする人に直接ビットコインを送金できる仕組みも作られている。特に新型コロナウイルスが流行している今、ビットコインを受け入れる店舗はますます増加しているようだ。

Michael氏と共にエル・ゾンテ村でボランティアをしているRoman氏は、「金融教育は重要だ。私たちにはそのような(教育を受ける)機会がなかったが、今の子供たちにはその機会があり、エルサルバドルには未来があると信じている。ビットコインは彼らに自由を与えてくれる」と語っている。

画像:Shutterstock