2020.07.03
暗号資産に好意的な国として知られるリトアニアで、中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)が今月23日に発行されることがわかった。2日、ロイター通信が報道した。
中央銀行発行デジタル通貨が発行されるのは世界初の出来事だ。
リトアニアの中央銀行「リトアニア銀行」が発行するCBDCを購入するためには本人確認(KYC)が必要なため、9日から先行予約を開始するという。
リトアニアで発行されるCBDCは「LBコイン」と名付けられ、NEMのブロックチェーンをベースに発行される。
リトアニア銀行は2万4,000枚のデジタルトークンを発行する予定。
各トークンには1918年の独立宣言に署名した20人のうち一人の肖像画が添付されるという。トークンは、署名した歴史的人物(神父・大統領・外交官・実業家・学者・公務員)の活動分野によって6つのカテゴリーに分けられ、1カテゴリーに対し4,000枚が発行される。
トークンは、専用ウォレットもしくは、NEMのウォレットで保管が可能だという。
LBコインは、ランダムに選ばれた6枚のトークンを1セットとし、99ユーロ(約1万2,000円)で発売される。カードコレクションのように、他の所有者とのトークンの交換も可能だという。
トークンは現物の銀貨とも交換が可能だが、リトアニア銀行は今回のCBDCの発行は、ブロックチェーンを使った大規模なCBDCの実証実験であることを明言している。
リトアニア銀行のMarius Jurgilas総裁は「各国の中央銀行は、デジタル通貨の発行について真剣に考えていない。私たちは社会が望むものをユーザーに提供する必要がある」と語った上で「中央銀行がデジタル通貨に関する考え方を変え始めている現在、LBコインはCBDCの方向性をテストするために先進的な実験となるだろう」と述べた。