月間暗号資産

  • HOME
  • NEWS
  • 資産運用大手バンガード社、ブロックチェーンで証券をデジタル化

資産運用大手バンガード社、ブロックチェーンで証券をデジタル化

世界最大級の資産運用会社Vanguard(バンガード)社は、ブロックチェーンを使って資産担保証券(ABS)をデジタル化するプロジェクトの第1段階を完了した。
11日、同社の公式サイトで発表した。
ABS(Asset Backed Securitie)とは、企業が保有する債権や不動産などの資産から生じるキャッシュフローを裏付けにして発行される証券の総称。
Vanguard社のプロジェクトには、資産運用サービス大手の「バンク・オブ・ニューヨーク・メロン」や世界規模の金融機関「Citi」、米国信託銀行「State Street」などが協力。
ブロックチェーン上で、ABS決済のサイクルのモデル化に成功したという。
Vanguard社は、日本を含む世界19ヶ国に拠点を持ち、3000万人以上の投資家に対しサービスを提供している。
同社の運用総資産は直近で5.7兆ドル(約608兆円)に上る巨大企業だ。
今回のプロジェクトの目的は、ABSの発行プロセスをデジタル化および合理化することにより、コストを削減し、リスクを最小限に抑えながら取引の速度と透明性を高めることだという。
そして最終的には、次世代の資本市場活動をより効率的なビジネスモデルにつなげられるようにしたいとしている。
Vanguard社の投資管理戦略グループの責任者であるWarren Pennington氏は、ブロックチェーンを使ったABSのデジタル化について「我が社は、金融サービス業界の進歩を支援する革新的で世界クラスのソリューションを提供することに専念しています」と語った。
今後Vanguard社は、ブロックチェーンを使った証券化のプロセス改善を目標にしている。
実際、資産担保証券の発行に向けたブロックチェーン活用には、多くの企業が開発に取り組んでいる。
今年3月には、ブロックチェーンを使った住宅ローンのスタートアップ企業「Figure Technologies」が、ブロックチェーン上で1億5000万ドル(160億円相当)の住宅担保ローンの証券化を完了したことを複数のメディアが報道した。
ABSは様々な資産を担保として発行されているが、実際の発行には債権者や融資会社、債権回収代行業者など多数の人間が関係しており、仕組みは単純ではない。
そのため、複雑なプロセスを可視化し、発行の合理化が可能なブロックチェーンが注目されている。