2020.02.26
中東レバノンでビットコインの需要が日を重ねるごとに高まっている。
26日、海外メディア大手アルジャジーラが報じた。
現在、レバノンでは過去数十年間で最悪の経済危機に陥り、非公式ながら銀行は資本統制を敷き、外貨の引き出しを月50ドルから数百ドル、海外送金は年5万ドルを上限とした。
しかし現地では法定通貨であるレバノン・ポンドの価値が本来より40%も低い為替レートで両替されるなど、いち早く資産逃避を行う動きが加速しているようだ。
そういった銀行に対する信用が失墜した状況によって、レバノンではビットコインの需要が高まっている。
アルジャジーラの取材に応じた現地の1人は、「レバノン人は資本統制から逃れることに高い関心を持っている。銀行のシステムを回避するにはビットコインが最善策だ」と述べるなど、いかに銀行を介さずに資産を守るか、日々苦闘を重ねているようだ。
また、レバノンではクレジットカードを使用した暗号資産購入を規制するなど、暗号資産に対して厳しい姿勢が取られている。
このことから、レバノンでは主に2つの方法で取引が行われているようだ。
1つは実際に買い手と売り手が直接会って行われる方法。
これはWhatsAppなどのメッセンジャーアプリを通じてやり取りが行われる。
もう1つは銀行の小切手を用いた方法だ。
買い手がレバノンの中央銀行が認めた小切手を売り手に渡し、ビットコインを得るという。
ただし、この方法を用いる際には売り手は25%から40%ほどの手数料を請求しているようだ。
これは買い手から仕入れた小切手はレバノンの銀行でしか預け入れることができず、その銀行や国家そのものが破綻した際のリスクを想定しているからだという。
レバノンの金融危機はしばらく続くと見込まれていることから、今後も同国での暗号資産需要が高まっていく可能性が高いと言えるだろう。