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SECを含む米規制当局、暗号資産カストディアンの規制について声明

アメリカにおいて暗号資産関連企業のブローカー・ディーラー(売買仲介業)ライセンス登録の承認が遅延していることに関して、米証券取引委員会(SEC)と自主規制機関である金融取引業規制機構(FINRA)が、共同声明を発表した。
共同声明発表は9日、SECの取引・市場部門およびFINRAの法律顧問室より発表された。
共同声明によると、両組織は次のようなSECの顧客保護規則について、暗号資産カストディアンが遵守するよう支援すると述べた
「顧客保護規則では、ブローカー・ディーラーに顧客資産の保護を要求しており、顧客資産を会社の資産から切り離しておくことで、ブローカー・ディーラーが失敗した場合、顧客の証券資産および現金資産を顧客に返却できる可能性が高くなる」
声明の中で強調されている点は、実にシンプルである。
個人投資家が消費者保護法の名の下に、損失や盗難などの危険に晒されるリスクをどのように扱っているか…という点に収束される。
法律自体は複雑だが、規制当局の意図を汲み取ると途端に単純化する。
デジタル資産(暗号資産)と従来型の紙の証券の違いは、それが物理的に何に書き込まれているかの違いはあれど、カストディにおける証券という性質では大きな違いは無いとされている。
しかし暗号資産の特性を考えると、デジタル資産の損失の原因は、秘密鍵がなんらかの理由で流出することであり、さらにその取引が不可逆であるということである。
保護している顧客資産が秘密鍵の流出によりなくなる可能性があり、1度資金洗浄をされるとその資産を取り戻すことが極めて困難だ。
これは有事の際に補償を適切に行える状態を作っておくということを難しくする懸念点である。
先月中旬に現在FINRAからの承認待ち企業はベンチャー企業も含めて40以上にも渡り、それらは「数ヶ月以上」も待っている状態であるということが明らかになった。
中には14ヶ月以上も待っている企業も何社か存在するとも言われている。
これに対しFINRAは「証券市場におけるイノベーションを奨励し支援しており、デジタル資産証券の市場が発展するにつれて、投資家および業界関係者との継続的に関わっていけることを期待している」と述べ、あくまで事業をストップさせているわけではないことを強調している。