スイス金融サービス会社「SEBA」、仮想通貨銀行設立を目指し１億フラン調達

スイス最大の銀行UBSの元役員が率いる金融サービス会社「SEBA Crypto（以下SEBA）」が、仮想通貨サービスを提供する銀行を設立するために約1億スイスフラン（約117億円）を調達したことが分かった。
ブルームバーグの報道によると、SEBAは、「ドル」と「ユーロ」を簡単に仮想通貨に変えることを可能にする“世界初の金融当局の規制を受けた”銀行になることを目指している。
SEBAはスイスの金融市場監督当局「FINMA」に、銀行業と証券の取り扱い免許の取得を求め、今年4月から交渉を重ねている模様。
ライセンスが取得出来れば、仮想通貨取引に加え、ICOに関するアドバイス等のサービスが提供できる見込みだ。

日刊仮想通貨の見解

SEBAのCEO・ギド・ビューラー氏は「SEBAは伝統的な銀行業と新しい仮想通貨業界の橋渡し役になりたい。既存の金融と仮想通貨の経済を統合し市場のリーダーになるのが我々の目標だ」と、仮想通貨を取り扱う新銀行の設立に意欲を示している。
既存の銀行は規制が不明瞭な仮想通貨やその関連企業に一定の距離を置いて、サービスの提供に難色を示しているところも少なくない。
今回のSEBAの計画が認可されれば、スイス国家の規制の下という「信頼性」が担保されることで、従来の銀行と仮想通貨の融和が一気に進む可能性も高くなるのではないか。
すでにSEBAは2019年に保険大手「チューリッヒ」を始め、主要な金融機関に支店を開設することを目指し動き始めている。
同行の成功によっては、追随する金融機関も現れる可能性も低くなく、市場拡大の追い風となりそうだ。