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米SECクリプトママ…規制当局のアプローチの遅さを懸念

米証券取引委員会(SEC)のHester M. Peirce氏(以下、Peirce氏)は暗号資産業界の進歩をSECが遅れさせているという懸念を表明した。
9日、シリコンバレーの中心地・米パロアルトで開催された証券業界関連イベント「セキュリティ・エンフォースメント・フォーラム」の同氏講演において明らかにした。
Peirce氏は暗号資産業界への寛容な姿勢から「クリプト・ママ」と称される人物として業界では有名だ。
Peirce氏は、SECがこれまで暗号資産業界に対して取ってきた規制措置の大部分は適切であるものの、その動きの遅さは業界の発展を妨げる要因となり得るとスピーチをした。
また、急ピッチな規制は黎明期の業界を衰退させることを過去に危惧していたが、その懸念は現実のものとはならず、むしろ迅速な対応が必要であったとした。
Peirce氏は、SECの腰の重い規制スタンスについて、
「SECは、核心的な質問について明確なガイダンスを一般の人々やFINRA(米国の金融取引業規制機構)へ提供ができていない。その結果として、適切な対応が分からず、多くの仲介業者や取引プラットフォームが待ちぼうけになっている。SECは暗号資産業界がどのように進んでいけば良いのかという疑問への明確な回答が得られていない」と言及。

Peirce氏は、SEC管轄のフィンテック企業向けの窓口部門「FinHubネットワーク」の設立によるスタートアップ普及の主導など、SECのこれまでの動向を評価する発言もみられたが、同組織の暗号資産業界に対する規制当局の動きには苦言を呈する形となった。