2020.10.02
【最終結果報告】得する?損する?主要10銘柄実践投資シミュレーション
ついに最終回、暗号資産投資は『得したのか?』『損したのか?』
さて、今回はついに最終回となりました。
暗号資産市場が3月の大暴落から立ち直りを見せた4月の終わり頃から始まり、気づけば秋風の吹く季節を迎えていました。
今回はこの約半年の総まとめとして、最も変動が見られた月や収支に関してなどをお送りしますので、ぜひ最後までご覧ください。
その前に、前回予想の振り返りからいきましょう。
9月10日(木)の予想時は、バイナンスコイン(BNB)の好調に助けられ、BTC換算では微減という結果になりました。
そして企画の終わりが近づいていることもあり、上下に大きく変動しやすい銘柄を選定しました。
その結果、9月17日(木)の予想時点でこのような資産数値になっていました。
0.0930BTC
1014.719ドル
前週比で0.0080BTC、32.345ドル(約3,400円)のマイナスとなりました。
マイナスになった要因としては、1位に置いていたチェーンリンク(LINK)が大幅減を記録したことが挙げられるでしょう。
逆に、バイナンスコインが前週に続き好調だったため、なんとかこのマイナス幅で済んだとも考えることができます。
この結果を受け、月刊暗号資産online編集部の陸奥守、鈴木宙、大空翔の3人は以下のように予想しました。
3人ともビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)を上位に置いていますが、チェーンリンクの予想で大空が1位に、鈴木が10位にしたことによってこのような順位になりました。
以下は3人の予想コメントです。
陸奥「先々週の大きな下げを受けて、少々持ち直した感じになったが、いまだ下降トレンドのように見える。したがって、保守的にBTCを中心に予想を建てた。2位はETH、3位はBNBにした。LINKは大きな下降トレンドが見えることからXRP、XTZに次ぐ8位とした」
鈴木「暗号資産業界ではこの夏、ビットコインよりも、DeFiの話題が多かった。知ったかぶりで、『今DeFiの銘柄を買っておけば儲かるんでしょ』と言う友人もいて、それくらいDeFi旋風は凄かった。しかし、いつこのバブルが終わるか? それが怖くて買えなかった。今思えば、とても、本当に、すごく後悔だ」
大空「大きく下げた後は上を向くと信じてチェーンリンクを1位にした。非常に危ない橋を渡る予感がするが、DeFi急騰の波はいつ押し寄せてくるかわからないため強気に予想。市場全体においてもDeFiの調子が非常に影響を与えそうだが、8銘柄がプラスになると考えた。今回の予想はもはや信じたいという思いが大きいかもしれない」
この予想結果を受け、上位3銘柄にテザーを割り振っていきます。
以下が結果です。
- LINK→1LINK=11.109USDTで、45.741LINKに交換
- BTC→1BTC=10907.730USDTで、0.027BTCに交換
- ETH→1ETH=372.960USDTで、0.534ETHに交換
波の荒いチェーンリンクを1位にしたことが吉と出るか凶と出るか、楽しみと不安が交錯する中で次回の予想を待ちます。
そして9月24日(木)。この日は今企画における最終予想日となります。
この予想から1週間後の10月1日(木)に全てビットコインにしたとシミュレーションし、本企画は終了となります。
最終予想日ということもあり、3人ともなんとかプラスで終えたいという気持ちで挑みます。
その予想時の数値は以下のようになっていました。
0.0815BTC
840.746ドル
前週比で0.0115BTC、173.973ドル(約18,300円)のマイナスとなりました。チェーンリンクの大幅マイナスが非常に足を引っ張った格好です。
また、暗号資産市場が全面安となったことも大きく影響したことでしょう。
不安定な相場状況を踏まえて、3人は以下のように予想しました。
最後の予想にして、ビットコイン関連の銘柄が上位を占める結果となりました。
特筆すべきは、ここ最近下位に位置付けられることが多かったビットコインキャッシュ(BCH)とビットコインSV(BSV)が同率1位になったことでしょう。
これまで低パフォーマンスが比較的続いていたこともあり、そろそろ大きな価格上昇に転じると考えられたのでしょうか。
以下が3人の予想コメントです。
陸奥「先週は非常に厳しい1週間であった。今週も何かのきっかけがない限り、下降トレンドが続くとみられる。したがって、最終週ではあるが、残念ながら安全策を取らざるを得ない。BTC、BCH、BSVというビットコイン三兄弟を上位に、まったく動く気配のないXRPや調整中のLINKは下位に予想した」
鈴木「そろそろ『DeFi』のブームも終わるだろう。そんな個人的な見解と、価格が上がりすぎているような気がしたので、今週のDeFi銘柄は『様子見』で動きが鈍いと思っている。では何を買うかというと、初心に戻ってビットコイン、イーサリアムにしておけば安全な気がする」
大空「前週の予想は嫌な予感が当たってしまった。結局チェーンリンクが1番価格を下げる結果となったのは非常に残念。今回はチェーンリンクへの期待を捨て、イーサリアムとビットコインを1・2位にした。常に市場のキーとなっている2銘柄が今回は活躍してくれると思う。最後の予想ということもあって頑張ってもらいたい」
この結果を受け、上位3銘柄にテザーを割り振ります。
大空の独断でビットコインキャッシュに5割を、同率1位だったビットコインSVに3割、そして3位のビットコインに2割という配分で割り振っていきます。
以下が結果です。
- BCH→1BCH=209.413USDTで、2.007BCHに交換
- BSV→1BSV=151.169USDTで、1.718BSVに交換
- BTC→1BTC=10315.950USDTで、0.015BTCに交換
相場全体は決していい状況とは言えませんが、最終予想週ということもあり、なんとか大幅な上昇を見せてもらいたいところです。
そして10月1日(木)。企画最終日を迎えました。
この日は最後に全てをビットコインに戻して終了となります。
下半期がスタートしましたが、その当日に東京証券取引所がシステムエラーで全銘柄の取引を終日ストップさせるという歴史的な出来事が起こりました。
幸い、暗号資産市場への影響はほぼ皆無でしたのでその点は我々にとって助かったなというところです。最後に全ての資産をビットコインに換算して終了です。
以下が最終結果です。
0.0855BTC
927.667ドル
前週比で0.004BTC、86.921ドル(約9,200円)のプラスとなりました。
市場全体が全面高となったため、これまでのマイナスを少し回収できた形です。最後の最後にプラスになって何よりです。
さて、ここからは9-10月期の最終結果を報告します。
この後に本企画における全体の最終結果を発表させていただきます。
まず、この1ヶ月の収支はこのようになりました。
残念ながら1ヶ月単位で見れば約1万2,600円のマイナスに。
DeFi銘柄を中心に軟調な推移をたどっていたことと、先月と同じく最もマイナスを記録した銘柄に大きく資産を割り振っていたことが原因となりました。
最終結果報告
さてここからは本企画開始が開始した4月30日からの最終結果を報告します。
約半年の結果はこのようになりました。
順に説明していきましょう。
まずBTC換算がマイナスになりましたが、これは企画開始時の0.01BTCと比較した数値になります。
BTCにすると目減りした結果となったのは、ビットコインの価格上昇が要因にあります。ドル建での最終結果が927.667ドルであるため、集計時に1083ドルあればピッタリ0.01BTCで終えられていました。
次にドル換算の収支ですが、こちらは日本円にして約2万2,500円のプラスとなりました。
これは途中で「全ての資産への投資」から「厳選した3銘柄に投資」へと検証方法を変えたことが大きく影響したと言えそうです。
これにより、ピンポイントで大きく上昇した銘柄に投資を行えたことがこの結果につながりました。
逆に大損になった週もありますが、なんとか耐え切ったと言ったところでしょうか。
また、今年に入り一大ブームとなっている「DeFi」の存在が非常に大きく影響しました。
特にチェーンリンクとイーサリアムがDeFiに深く関わっていることから、この2銘柄への投資が明暗を分けた格好です。
結果として、最も資産が増加した期間と、減った期間、どちらもこの2銘柄の動向に左右されました。
本企画で扱った銘柄数は計11銘柄。
当初はステラ(XLM)が投資対象銘柄に入っていましたが、既述のチェーンリンクと入れ替わりました。
企画開始時は終わりまでに4〜5銘柄ほど入れ替わりがあるかなと考えていましたが、想定よりもだいぶ少なかったです。
このチェーンリンクが、最も高い伸び率を見せた銘柄にもなりました。
銘柄の入れ替わりが生じたのが7月2日であるため、チェーンリンクの増減率はその日から企画終了時までの数値で割り出しています。
途中参加の銘柄とはいえ、100%以上の増加を見せたのは素晴らしい結果であったと言えます。
逆に最も低い増減率を見せたのはビットコインSVでした。
こちらは年初から非常に話題を生んだ銘柄で、もっと価格を伸ばすものと思えただけに意外な結果となりました。
最後に、これまでの検証を振り3人それぞれに感想を述べてもらいます。
陸奥「半減期を機に約半年の予想をしてきたが、途中DeFi銘柄が高騰するなど相場が乱高下する暗号資産の醍醐味を感じさせる展開になった。1週間に1度しか売買できないという条件の中で、ドルベースではあるが、30%以上の黒字運用ができたのはよかったと思う。この売買の枠を外し、中長期でBTCやETHなど大きなプロジェクトを追いつつ、ニュースを読む努力をして、短期で流行の通貨を見極めればさらに大きな黒字をあげることができるのではないかと思う」
鈴木「この企画がスタート時にはビットコインの半減期に沸いた気がする。しかし、まさか7月にDeFi銘柄の大高騰があるとは半年前に誰が予想していただろう。このDeFiのブームは、2017年秋から2018年初頭の『仮想通貨(暗号資産)バブル』に似ている。ただ、あの時は買えば誰でも儲かったが、今は情報の時代である。毎日、暗号資産のニュースを見て分析する能力も必要だ」
大空「3月の大暴落から立ち直った頃にこの企画が始まり、無事予定していた期間まで検証することができてよかった。結果もドル換算ではプラスとなりいい終わり方になったと思う。検証方法やその他進め方に変更が起きたが、それは次につなげられればいいのかなと思う。今回の企画で、暗号資産運用に関しては様々な要素が絡み合い、銘柄ごとに分析をしっかり行う必要があることを再認識させられた。読んでくださった方々がこのコンテンツを通して少しでも参考にしてくれる部分があるのならば、ありがたい限りだ」
まとめ
それでは最後に「暗号資産投資は得したのか?損したのか?」検証結果をまとめましょう。
検証結果:暗号資産投資はこの半年間で、
「得をした」
以上で本企画を終了とさせていただきます。
これまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました!
※本企画は投資“シミュレーション”
となっています。
あらかじめご了承ください。