2022.12.27
ブラジルのジャイール・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領は22日、暗号資産(仮想通貨)の支払いを合法化する法案に署名した。
新しい法律は180日以内に施行される。この法案は長い年月に渡り上院と下院で議論されてきた。
法案では、ブラジル中央銀行の監督下で、暗号資産と航空マイレージプログラムを「支払いの取り決め」の定義に含めることを定めた。これにより、ブラジル国内での支払い手段として暗号資産が合法化されたものとなる。
法案では暗号資産を「電子的に交渉または転送でき、支払いまたは投資として使用できる価値のデジタル表現」としている。また、暗号資産関連事業者に対しては暗号資産サービスプロバイダー(VASP)のライセンス取得が義務付けられる。詐欺やマネーロンダリングに対する既存の刑事罰に加え、金融システムに対する犯罪に暗号資産を加えるよう法律を整備するという。規制当局は暗号資産サービスプロバイダーが国内で運営することを承認し、現在の法律を遵守することを監督する任務を負う。
なお、暗号資産サービスプロバイダーの認定は「CNPJ」と呼ばれる税務管理システムに登録されている企業にのみ与えられる。CNPJは米国の企業の納税者識別番号(TIN)または雇用主識別番号にあたるものだという。
さらに、証券と見なされた暗号資産についてはブラジル証券取引委員会(CVM)によって規制され、他のデジタル資産については、中央銀行などの行政府によって任命された別の規制機関によって管理される。また、先月破綻した暗号資産取引所FTXの事例を踏まえ、顧客資産の分別管理を義務付けるとした。
法案では、特定のデジタル資産の名前については挙げられていない。加えて、暗号資産決済を監督する機関についても明記されていない。
なお、マイニングに関する免税項目は削除された。2029年12月までマイニング機器やASICなどの購入による連邦税の免除を求めた内容であったが、より慎重な監視が必要などの理由から盛り込まれなかった模様だ。
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