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米Argo Blockchain、2万台のマイニングマシン購入 活性化する北米のマイニング投資

暗号資産(仮想通貨)マイニング企業のアルゴ・ブロックチェーン(Argo Blockchain)は先月30日、テキサス州西部に建設中のマイニング施設用に、大手暗号資産マイニングマシンメーカーのビットメイン(Bitmain)が販売するマイニングマシン「Bitmain Antminer S19J Pro」を2万台購入すると発表した。

同社のマイニング能力は2万台のビットメインのマシンが加わることで、2エクサハッシュ(EH)以上増加し、2022年第3四半期(7-9月期)末までに合計3.7EHに達する見通しだ。マイニングマシンは2022年第2四半期(4-6月期)からテキサス州西部のデータセンターで稼働予定。すでにデータセンター用の土地を購入している。

中国当局が暗号資産に対する規制を強めたため、本土の多くのマイニング企業が撤退し、他国へマイニングマシンを移動させた。その様は「マイニング大移動」とも言われた。

先月29日、ビットメインは中国でのマイニングマシンの販売を停止する計画を打ち出した。製造本拠地を深センから他国に移転させる予定だという。またEC大手アリババ(Alibaba)も中国政府の方針を受け、自社プラットフォームでの暗号資産マイニングマシンの販売を停止すると発表。商品カテゴリーで「ブロックチェーンマイナーアクセサリー」「ブロックチェーンマイナー」という分類は閉鎖され、他のカテゴリーでマイニングマシンを販売することも禁止した。

一方で、北米では暗号資産マイニングへの投資が積極化し、マイニングが盛んになっているほか、重要インフラとなり始めている。

中国はこれまで安い人件費に加え、ダムや水力発電インフラへの投資により、暗号資産マイニングにおいて他国より優位にあった。一時は世界のハッシュパワーにおいて約65%を占めた。

世界のマイニング中心地となっていた中国がその存在を自ら否定し消えようとする状況下で、世界のマイニングを支配しつつあるのが米国だ。エネルギーの価格、人件費は安いとは言い難いが、転用可能な未利用電力やエネルギーインフラが数多く存在し、再生可能エネルギー業も盛んである。また、23社の暗号資産マイニング会社が上場している。

中国のマイナーたちもその安定性を求め、北米を訪れては情報交換を行っている。現在、北米では次々とマイニング施設が構築されつつある。米国は世界のハッシュパワーの20%を占めるとされているが、今まさに大幅な増加を見せ始めている。

画像:Shutterstock