2021.07.21
暗号資産(仮想通貨)投資信託大手・Grayscale(グレースケール)のCEO、Michael Sonnenshein氏は、分散型金融(DeFi)資産を対象とした新たなファンドの提供開始を発表した。19日、同社が明らかにした。
同氏によるとグレースケールは、機関投資家向けに暗号資産業界をリードする分散型金融サービスを提供するという。
グレースケールは世界最大の暗号資産運用企業だ。機関投資家、適格投資家を対象に、ビットコインの価格と連動した「Grayscale Bitcoin Investment Trust(GBTC)」やイーサリアムの価格と連動した「Ethereum Trust(ETHE)」など、暗号資産に関連する多数の投資信託を提供している。同社は現在、約300億ドル(約3兆3,000億円)の資産を運用し、投資商品として約30種類の暗号資産を扱っている。
今回サービスを開始するグレースケールのDeFiファンドは、流動性のあるDeFi資産を時価総額加重ベースで組み入れたファンドだ。
同ファンドの構成銘柄は、ユニスワップ(UNI)、エイブ(AAVE)、コンパウンド(COMP)など15種類の暗号資産で組成されている。
Sonnenshein氏はDeFiファンドの提供にあたり、「グレースケールは、投資家がデジタル資産のエコシステムの革新的な部分にアクセスする機会を創出することに注力し続けています」と強調。そして「分散型金融の出現は、金融サービス業界の将来を再定義できる技術の明確な一例です。我々は、グレースケールの信頼性、安全性、そして業界をリードする投資商品を通じて、投資家の皆様にDeFiへのエクスポージャーを提供できることを誇りに思います」と抱負を語った。
グレースケールは今年2月の時点で、DeFi銘柄の商品の提供を検討していることを明らかにしていた。
当時Sonnenshein氏は、投資家により良いサービスを提供するため、商品の提供を拡大したいと考えていることを明かし、「暗号資産の世界は日々変化しています。この急成長する資産クラスに対する投資家の需要を満たすため、大胆で革新的な機会を提供したいと思っています」と述べていた。
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