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タイ中央銀行がCBDC発行へ 2022年に試験運用開始

タイ中央銀行(BOT)が、リテール型(個人向け)の中央銀行デジタル通貨(CBDC)を2022年の第2四半期までに試験運用を開始する予定であることがわかった。2日、同行がプレスリリースで明らかにした。

BOTのプレスリリースによると、より便利で安全な記帳システムを市民に提供するためにリテール型CBDCを導入するとのこと。さらに、「リテール型CBDCは効率的で費用対効果が高く、技術が原動力となるような未来を提供して、より多様で革新的な金融システムに貢献する」と説明された。

同国でCBDCが未来の金融システムの重要な鍵になるという見方がなされているのは明白だ。現に同プレスリリースでは、CBDCを導入することによって金融インフラに変化が生じ、徐々に金融システム全体が変わっていくことが予見されている。

タイ国内では現在、民間が発行するステーブルコインが国内の金融システムや決済システムの安定性にリスクをもたらすことが懸念されている。

3月には、ステーブルコインプロジェクト・Terraが発行した「タイ・バーツ・デジタル(THT)」が違法であるとみなされた例がある。

タイ銀行の金融市場業務部副部長を務めるVachira Arromdee氏は2日に行われた説明会で、「CBDCの導入によって中央銀行と国民を仲介する業者を排除する目的はない」と発言。同氏は、タイ国内の金融機関がデジタル時代に合わせた技術革新を通して、利用者のニーズに答えるべきであるとも付け加えた。

また、「現金やその他の決済手段と並び、タイの家庭や企業が利用できる信頼できる安全な決済手段として機能する可能性を大いに含んでいる」と述べ、その将来性に期待感を寄せた。

現在、各国でCBDCの導入および検討が行われている。日本もその例外ではない。

日銀は5日、CBDCの実証実験を同日付で開始したことを発表した。

計画は3段階にわたって行われ、5日に始まったフェーズ1ではシステム的な実験環境を構築し、決済手段としてのCBDCの中核をなす発行、送金、還収等の基本機能に関する検証を行う予定としている。

実施期間は、2022 年3月までの1年を想定している。

画像:Shutterstock