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マスターカード、暗号資産で決済可能に 年内に提供開始

米大手決済企業のMastercard(マスターカード)は11日、2021年内に暗号資産(仮想通貨)を用いた決済に直接対応することを発表した。

消費者保護とコンプライアンスの観点から、どの暗号資産をサポートするかについて慎重に検討しているという。

マスターカードは対応する暗号資産の条件として4つの項目を提示。プライバシーやセキュリティといった「消費者保護」と不正行為を防ぐための「KYCの遵守」、「使用される国・地域の規制に合っていること」といった項目を挙げ、さらにその暗号資産が投資手段ではなく、決済手段として人々が求めているかという「安定性」をクリアする必要があるとした。

同社によると、現時点で多くの暗号資産がこれらの条件を満たしていないという。

マスターカードはWirexおよびBitPayと提携し、暗号資産決済を行うことができるカードを昨年作成している。また暗号資産取引所との提携を発表するなど、暗号資産業界への本格参入に向けた準備を進めてきた。

今回の取り組みではマスターカード独自のネットワークを用いて暗号資産決済に対応する。

そういった点を踏まえると、従来展開されてきた暗号資産決済と違い、第三者を挟むことなくマスターカードが直接暗号資産を受け入れるというのは重要なことだ。

従来の暗号資産決済では暗号資産関連企業などとの提携によってサービスが行われ、支払いを受けた店舗は決済企業との間に入った第三者より現金を受け取るという仕組みで成り立っていた。

しかし今回、マスターカードが直接店舗とやり取りを行うことが可能になるため、事業者側にとっては従来の暗号資産決済と比べて効率的な仕組みであると言える。さらに、店舗は現金での受け取りに加えて暗号資産を選択することも可能になる。

マスターカードはプレスリリースで、現在世界の主要な中央銀行と積極的に連携し、中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)開発の支援を行っていると説明。

昨年、CBDCをシミュレーション環境で使用するためのテストプラットフォームの作成も行っていることから、将来的にCBDCへの対応も検討していくものとみられる。

画像:Shutterstock