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中国、デジタル人民元3回目の実証実験

中国・深セン市政府は、地域住民に2,000万デジタル人民元(約3億2,000万円)を、同国のお年玉に相当する「紅包」として、抽選で10万人の市民に配布する計画を発表した。先月31日、同市が発表した。

抽選への応募は今年1月1日から始まっており、深セン市の居住者は同市が準備したプラットフォームで申し込むことができる。

スマートフォンアプリで抽選に応募し当選した市民は、1月7日から17日までの期間、深セン市内の約1万もの店舗で利用ができる。

この取り組みは、中国が開発を進めている中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験の3回目として行われる。

2回目の実証実験は蘇州市で行われており、昨年12月11日から27日まで2,000万デジタル人民元が配布されていた。

中国の地元メディアによると、蘇州市での試験運用では抽選で選ばれた市民ら10万人に対し、1人当たり200元(約3,200円)のデジタル人民元がスマートフォンの専用アプリに配布された。

このデジタル人民元は蘇州市内の商店や飲食店で支払いに使えるほか、中国インターネット通販大手の「京東集団(JDドット・コム)」のオンラインショップで利用することができた。また、通信環境が悪い場所からでも使用ができるよう「オフライン決済」の機能も実装された。

蘇州市政府が公式SNSに投稿した発表によると「9万6,614人がデジタル人民元を集め、300万ドルの配布資金のほとんどを使った」と述べた。

一方で、蘇州で行われた実証実験では一部決済に使えないバグなどが見つかったため、今回の実験では不具合が発見された部分の実装はされないという。

デジタル人民元の実証実験は昨年10月の1回目の実施から、約4ヶ月で3回も中国の大都市において行われている。これは2022年に行われる北京オリンピックに照準を合わせているとされている。

また、中国は深センや蘇州での実証実験だけでなく、デジタル人民元発行において必要な「法改正」に着手するなど、準備作業を着々と進めていることも国内外複数の有力メディアで報じられている。

画像:Shutterstock