ボルボ、サプライチェーン全体でブロックチェーン技術導入へ

スウェーデンの高級自動車メーカーであるVolvo Cars（ボルボ・カーズ）は8日、ベンチャーキャピタル投資部門のVolvo Cars Tech Fund（ボルボ・カーズ・テック・ファンド）を通じ、ブロックチェーン技術開発企業の英Circulor社に投資したことを発表した。

同ファンドは2018年に立ち上げられ、ブロックチェーンをはじめ、人工知能・自動運転領域などで活躍する世界中のスタートアップに投資している。

Circulorはここ数年、電気自動車のバッテリーに使用されるコバルトのトレーサビリティを高めるためのブロックチェーンを提供してきた。

現在、Circulorのブロックチェーンはボルボ・カーズのバッテリーサプライチェーン全体で使用されている。プレスリリースでは例として、ボルボ・カーズ初の完全電気自動車「XC40 Recharge P8」に使われているコバルトのトレーサビリティが100％可能となると説明された。

ボルボ・カーズ曰く、同社は自動運転メーカーとして初めてサプライチェーン全体にブロックチェーンを取り入れ、バッテリーに使用されるコバルトのグローバルなトレーサビリティを実現した企業だという。

また今回の投資によって、コバルト以外にもトレーサビリティ対象を拡大することが可能になるという。電気自動車の絶縁材料として使われる「雲母（マイカ）」などがその一例として想定されているようだ。

なお、今回のCirculorへの投資にはSYSTEMIQ、Total Carbon Neutrality Ventures、Plug & Playの3社も参加している。

ボルボ・カーズの調達部門責任者であるMartina Buchhauser（マルティナ・ブーフハウザー）氏は「私たちは、原材料の倫理的なサプライチェーンに力を入れており、Circulorとのパートナーシップはその点において非常に役立ちます。」と説明。

さらに、「Circulorの継続的な技術開発を支援することで、調達業務におけるブロックチェーン技術の利用を拡大し、よりサステナブルなビジネスに貢献することができます」と語り、今後の展開に期待を寄せた。