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スウェーデン、CBDCに関するレポートを公開

スウェーデンの中央銀行であるスウェーデン国立銀行は、中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)「eクローナ」に関するレポートを公開した。
18日、同行が公式サイトで発表した。
スウェーデン国立銀行のレポートによると、eクローナについての分析や実践的な展望、そして必要性が議論されている。
レポートは、eクローナを国内に導入することで市場競争が起こることが詳細に分析されている。
eクローナの発行により、銀行の取引口座市場、Visa・Mastercardなどの決済サービスなどの既存の支払いサービスの分野で競争を推進する効果があると想定しているという。
スウェーデンは今年2月にeクローナの実験を開始した。
1年間の実証実験をし、どのような形で効率的にeクローナを開発し、利用するか分析中だ。
実験は2021年2月に終了する予定だという。
またレポートによると現在の金融システムの変化に対応して、政府は健全な通貨システムを確保する責任があると提言している。
昨今、スウェーデンでは現金の使用が減少していると同時に、企業や銀行が提供するオンラインでの決済サービスが普及している。
そのことによって、政府が金融政策で経済をコントロールする影響力の低下が懸念されていた。
レポートでは、eクローナの開発にあたって、中央銀行が全てを行うのではなく、民間決済サービスと提携して、人々に提供されるモデルが理想的だと提案されている。
スウェーデンは現金決済の利用率が20%と、現金を持たない生活に国民が慣れていることから、世界的にもデジタル通貨導入の障壁が低い。
ただ、国民が一般的にデジタル通貨の利用を始めるのはeクローナと結び付いた金融アカウントサービスが出来てからであり、インフラの整備も課題となる。
レポートではeクローナの発行により決済取引経路が簡素化され、大幅にコストが削減されると指摘している。
eクローナによって、スウェーデンが国外の決済システムに依存しない取引経路が準備できた際、同国の決済システムの柔軟性と主権性も向上することが期待されると、レポートでは報告されている。