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2019年8月号-サニー・ルー氏独占インタビュー

2019年6月21日(金)発売の月刊仮想通貨8月号Vol.17より

世界中の人々がそれと知らずにVeChainを使うことになると宣言

─現在、Vechainでどのような活動や仕事をしていますか?

Sunny Lu「VeChainでは今年はCreate Valuable Transactionを掲げています。そのためにサミットを開催したり、出展したり、開発者のコミュニティを形成し、ToolChain のようなBaaS ソ
リューションを提供することでVeChainを使ったdappを作る開発者を増やそうとしています。開発者が生まれ、ブロックチェーンをうまく活用したアプリが生まれ、人々に使われるようになって初めてブロックチェーンは普及したと言えます。つまり、私たちのチームは「イネーブラー(人々の成
功を可能にする)」として、個人、開発者、そして企業がVeChainThor ブロックチェーンプラットフォーム上で開発、構築をできるようにしています」

─2019年4月以降、市場が活気づいていますが、ここ数カ月の市場の動向をどのように感じていますか?

Sunny Lu「昨年と比べると今のマーケットはより冷静で、理性的です。VeChainエコシステム内では、私たちは継続的にプロダクトを届けて、私たちのビジネスを世界中に拡大しています。例えば、私たちは革新的なワンストップBaaSプラットフォームであるVeChain ToolChainに加えて、HSMベースキーエスクローターンキー(HSM Based Key Escrow) ターンキーソリュー
ションとVeKeyベース閾値署名(VeKey Based Threshold Signature) ターンキーソリューションをVeChainサミット2019でローンチしました。私たちは、エコシステムのより良いイネーブラーとなるために弊社のサービスを構築し、より良いものにする時だと思っています」

─VeChainとはどのようなプロジェクトなのか教えてください。

Sunny Lu「VeChain とはエンタープライズ向けのパブリックブロックチェーンです。現在、色んなプロジェクトがTPS、シャーディングと技術的なところで競っていますが、私たちは技術ではなく、ブロックチェーンの普及を妨げているのは開発の障壁が高いことや手数料が安定しないことなどにあると考えています。そのため、VeChainは開発をしやすくするためにマルチパーティーペイメントなどの機能がネイティブでサポートされており、デュアルトークンシステムによってトランザクション手数料を安定させることでコストの予想ができるようにしました。こういった点が評価されて、現在DNV GLやPwCと一緒に様々なエンタープライズクライアントに導入して頂けています」

─Vechainは日本のNTTdocomoや中国の保険会社PICCなど、多くの企業と提携していますね。これらの企業においてどのようにVechainは活用されるのですか?実は日本では、VeChainは「ブランド品の真贋鑑定に使われる」という理解が広まっています。
おそらくVeChain は、真贋認証だけではなく、もっと幅広く活用される技術だと説明していただけると幸いです)

Sunny Lu「真贋認証やトラッキング以外で言うと、VeChain が力を入れているソリューションとしてはデジタルカーボンエコシステムがあります。デジタルカーボンエコシステムとは自動車などの運転において、環境に優しい運転をしたら、データがDNV GLが検証した後、カーボンクレジットが
発行されます。そして、カーボンクレジットを受け取ったユーザーはそれを使って、最近発表されたパートナーシップだとRenji病院という上海で一番歴史のある西洋医学の病院で治療を受けることが可能です。このように、現在VeChainとDNVGLではデジタルカーボンエコシステムを構築するためのソリューションにも力を入れています」

─2018年に、「3年以内に、世界中の人々が毎日それと知らずにVeChainを使っていることになるということを宣言します」というメッセージをコミュニティに送っていましたね。世界中の企業との提携によって、この宣言に向けて着実に前進していると思いますが、現在の進捗はいかがでしょうか?

Sunny Lu「現在の進捗としてはようやく長い道のりを歩きだしたところだと考えています。去年のメインネットのローンチで歩き出し、この1年間VeChainの技術を伝え開発者に興味を持ってもらい、サポートし、参加してくれた皆様のおかげでVeChain サミット2019は大成功をおさめ、そ
して多くのパートナーシップを締結してきました。ようやく、6月でVeChain のメインネットも1歳となります。この1年をまとめると、VeChainの旅の素晴らしい一歩目だったと思います。2019年にはまだ6カ月残っているので、まだまだ皆さんを驚かせるニュースを発表できると思ってい
るので、ぜひ楽しみにしていてください。これから日本にも注目をしているのでぜひFujiTea に続く、事例を出したいと考えています」

─最近の活動として、「ToolChain」についてお伺いします。「ToolChain」の機能とメリットを教えてください。

Sunny Lu「ToolChain を使うことで誰でも簡単に、コストもかからずブロックチェーンソリューションを導入できます。ToolChainの強みとしては、誰でも簡単にブロックチェーンソリューションをすぐにデプロイして、実装することができます。詳細に関してはぜひVeChainの公式ツイッター
アカウントである@vechainofficialからToolChain に関する最新のニュースやアップデートを伝えるので、ぜひフォローしてください」

─そのほか、最近の活動として読者に伝えておくべきことがあればぜひ教えてください。

Sunny Lu「VeChain サミット2019のプレゼンテーションでも述べたように、VeChainから世界的な企業とのパートナーシップを発表できると思うので、VeChainからの発表を楽しみにしていてください。そして最後に、私たちは本当にコミュニティの皆様からのサポートに感謝しています。皆
様からの支援があるからこそ私たちはさらにプロジェクトを前進させることができます。

─ブロックチェーン業界では「STO」や「IEO」など、さまざまな言葉が生まれては流行しています。Sunnyさんが最近注目しているキーワードやプロジェクトなどがあれば、ぜひ教えてください。

Sunny Lu「VeChain 上でもVeFamという私たち公認のプログラムがあり、それらのプロジェクトには特に期待をしています。それら以外となると、私はVeChain の成功を疑ったことがなく、常に全力でVeChainの成功にむけて取り組んでいます」

Profile
◉Sunny Lu(サニー・ルー)
2002年に上海交通大学を卒業。NetstarでITマネジメントサービスに携わる。1994年から南アフリカで自動車追跡と盗難車両の修理サービスを提供しているNetstarに入社し、ITマネジメントサービスに携わる。その後、3M China、Bacardi Chinaを経て、2010年からLouis Vuitton China のCTOを4年、CIOを1年務める。2013年に開催されたLouis Vuittonのテックセミナーでブロックチェーンと出会う。2015年にVeChainを創業。