月間暗号資産

暗号資産の歴史

暗号資産はどうやってできた?

暗号資産は2008年にサトシ・ナカモトという人物がインターネット上に『Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System』(ビットコイン:P2P デジタル通貨システム)という論文を投稿したところから始まる。
通常、お金はどこかの国が発行・管理しているが、暗号資産は公的な発行主や管理者が存在せず、P2Pというクライアント同士が繋がるシステムで処理を行える。
これを使うことで誰もがインターネット上で信頼性を持って取引できるという内容だ。
この論文を元にソフトウェア開発が行われ、なんとたった3ヶ月後、実際にビットコインが発行されたのだ。
ちなみにサトシ・ナカモトという人物が誰なのか? 日本人かどうかさえ未だ判明していない。

最初はおもちゃ銀行発行通貨のように扱われていた

2010年にはN.Y証券取引所の隣にデジタル通貨の最初の取引所が誕生した。
しかしこの頃のビットコインは『おもちゃ銀行発行通貨』のような意味合いで実験的に使われていた。
あるプログラマーが「ピザ2枚と1万BTCを交換しない?」とジョークを投稿したのに対し、別のプログラマーが面白がって注文し交換されたのが1番始めの取引だといわれているのだから、ビットコインが現在のような価値を持つとは誰も想像していなかったのだろう。
しかし、本当にこれがきっかけで通貨として使われていくことになるのだ。
その後、価格や知名度が徐々に上がっていった。
2009年の誕生以降、時を経てその価格は上昇していく。
価格が変動する点では、法定通貨と変わらない。
だがその変動率は法定通貨と比べればはるかに大きい。
例えば、2013年初頭には1ビットコインは1万円を超えていなかったが、2017年末には200万円を超えるに至った。
時に社会情勢や取引所の問題などで大きく変動しつつも、取引高・価格とともに大きく伸びてきたのが暗号資産である。
それとともに、暗号資産の社会的な認知度が上がり、様々な暗号資産が誕生することになった。

現在の暗号資産事情

暗号資産はビットコインだけではなく、いまやたくさんのアルトコインが存在し、世界中で関心を持たれ投資の対象として注目を集めている。
イーサリアムやリップルといった暗号資産も時価総額を増やし、ビットコインのみ、というわけではないのが現在の状況であるといえる。
ただ、基軸通貨であるビットコイン価格が下がると、他の通貨も軒並み下がってしまうなど、アルトコインは不安定な状況は続いている。
暗号資産業界は、ビットコイン優位の状況は変わっていないが、逆に言うとビットコイン価格が下がると、それにつられてアルトコイン価格に影響を及ぼしかねないのが今後の課題だろう。
また暗号資産が進化するにつれ、企業や国が、ブロックチェーンを使った独自コインを発行したり銀行が、国内外の送金に暗号資産の利用を検討するなど大規模な実証実験を行ったりしている。
現在では、様々な分野に特化した暗号資産が続々と現れ、多くの活躍の場が期待されている。インターネットが誕生した時のように、暗号資産が誕生したことで世界は大きく変わろうとしている。